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学生時代の昔から音楽の中ではモダンジャズが最も好きで、新宿周辺のジャズ喫茶やライブスポットで生の演奏を楽しんでいた。
まだ、渡辺貞夫や日野皓正も若く、ピットインなどガレージのような狭い中、目の前で聴かせてくれた。
今でも、表参道のブルーノートに聴きにいったりしているが、内容はこれもジャズかなと思われるものまで含め随分多彩になっている。ある意味でジャズの生命力の強さかもしれない。

「大人のジャズ再入門(マイルスとブルーノートを線で聴く)」という本の中で、マイルス・デイヴィス「カインド・オブ・ブルー」とジョン・コルトレーン「ジャイアント・ステップス」を取り上げて、実験的色彩を帯びた異色のアルバムが生まれた背景を述べている。
1959年というから、もう半世紀近く前になるが、元々ジャズはライブミュージックとして生まれ発展を重ねてきたが、50年代後期LPレコード/プレーヤーが広く普及したことに伴い、新たな局面を迎えた。
ライブとレコーディング・スタジオで表現されるジャズの乖離につながり、これこそが次代のジャズの可能性を切り拓いた。

ステレオ録音を含むテクノロジーによる環境の変化と、そのことを鋭く自覚した一部の創造的なミュージシャンの冒険心と慧眼があったわけで、この後60年代中期のマイルスの諸作品やブルーノート・レコードの制作アルバムにおいて顕著な成果となって現われる。

ただ、冒頭の2作品の生まれた1959年時点では異端であり前衛であったわけで、ゆえにマイルスとコルトレーンの挑戦は尊く、今、聴いても飽きることがない。