イメージ 1

以前も一寸触れた野村総研(NRI)の「2010年のITロードマップ」が何かと役に立つので、又、一部紹介したい。

情報技術システム技術の進化に関し、先ずアプリケーション開発ではサービス指向アーキテクチャとして、“つくりあげる”から“組み合わせる”へシフトし、ゼロからの構築ではなく既存資産を社内外問わず再利用、組み合わせによって新しいアプリケーションを開発できるようになる。
2006~2007年度にはBPM(Business Process Management)やESB(Enterprise service Bus)などの製品が出揃い、標準化が進む。
2008年度以降、SOAによるアプリケーション開発が次第に浸透し、2009年度以降、一般化すると予測している。
ところで、SOAを導入するには、まず、業務プロセスの整理、見直し、コンポーネント化などの検討が必要になる。

次に、オープンソース・ソフトウェアが商用ソフトウェアに取って代わるかの問題で、2007~2008年度に、CRMやERPなどオープンソースの業務アプリケーションも中小企業中心に使われ始め、2009~2010年度には商用ソフトウェアを使わずにオープンソースの組み合わせで情報システムの構築も可能になると予測している。

次世代認証技術に関しては、コンシューマーに対する個人情報漏洩リスクの抑制手段の一つとして、連携型認証(フェデレーテッド認証)*が注目され普及し、企業では、コンプライアンスや法規制対応の一つとして認証基盤が見直され連携型へ移行するとしている。
2007~2008年度に、多くのポータルサイトで連携型認証が適用され起業でも他社との連携型認証が進み、普及期に入る。
2009~2010年度には連携型認証が適用された多くの異なる本人認証サービスプロバイダ間で認証ローミングが始まり、成熟期に入ると予測している。
 *特定の信頼できる認証機関でログインした後、そこで発行された認証情報を取得し利用すれば信頼関係を結んでいる様々なサービス提供者が提供するサービスにアクセスできる仕組み

更に、データにセマンティック(意味)を付与することで、コンピュータにデータの内容を理解させる技術―セマンティックWebが企業向けの様々なソリューションの基盤技術として浸透していく。又、データだけでなくサービスにも意味を付与することで、コンピュータにサービスの内容を自動的に理解させるセマンティックWebサービスも将来的には普及すると予測している。
2010年度以降、セマンティックWebは、データ統合分野では標準搭載技術となる。又、WebサービスやSOAが普及期、成熟期を迎えるこの時期、サービスにセマンティックを付与するセマンティックWebサービスも黎明期を迎えると予測している。
又、Webがコンテンツの共同利用のプラットフォームになり、メタデータの活用とWebサービスが新しい情報共有のプラットフォームを生み出す。
2009~2010年度には成熟期に入り、業務アプリケーションや電子商取引に拡大していくと予測している。

最後に、デジタルデータの増大は検索技術の進化を促し、膨大な情報を使いこなす「インテリジェンス」の提供へと進化し、既存の情報へのナビゲートだけでなく、トレンドの分析や隠れた関係性の発見を可能にするツールになっていくと予測している。