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大分前に買ったが内容、ボリュームとも一寸重く未だに読みかけの本で「知の挑戦」がある。

副題に”科学的知性と文化的知性の統合”とあり、米国のエドワード・O・ウィルソンという昆虫学者、生態学者、進化学者という多様な知性を備えた”知の巨人”による作で、私たちはどこからきて何故ここにいるのか、聖書もある意味で初めて文字で宇宙を説明し私たち自身をこの宇宙の重要な存在として位置づけるための試みだったとし、科学とは同じ目的に向かってより検討された新しい立脚点に立つ続編とみなしている。
この意味で、科学とは開放され、拡大された宗教といえ、啓示よりも客観的事実の探求を志向するのは文明発生以来試みてこられたものであり、その中心教義といえるものが、アインシュタインが認識していた”知識の統一”にあるという。
確かな知識を十分に纏め上げたとき、私たちが何者であるか、何故ここにいるのかを理解でき、このように、科学、宗教、芸術などあらゆる知を統合し、人間の本性を解き明かそうとしている。

目先の新しい情報に日々追われているためか、こういう極めてロングレンジの視点に立つ内容に触れるだけで、自分の視野が一寸広がり遠くが少し見えるような気がしてくる。