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最近、改革の成果の副作用としてか格差を論じることが多い。
考えてみると歴史上常に格差というものは存在し、壮大な歴史的実験でもあった共産主義の社会でも結局は無くならなかった。
塩野七生さんのローマ人論によれば、ローマ帝国でも例外ではなかった由である。
古代では(ギリシアも)ローマも都市国家の主権者は市民であり、その権利は国政への参与で、逆に義務は国の防衛と考えられ、防衛を担当する義務を果たす人には直接税を払う義務は免除されていた。従って、税の主体は間接税であった。その税率は売上税が1%、関税が1.5~5%と非常に低かったらしい。
富の格差の是正に利いたのが、権力を与えられ富も享受できる者にとって最高の名誉とされたのが公共事業に私財を投じるという伝統で、これを政策化した点だと言われている。確かに、アッピア街道、ポンペイウス劇場、クラディウス水道など建設した人間の家門名が後世に残されている。
この伝統は、米国などにもあり、ロックフェラーなどの名前のついた公共物をよく見かける。
折りしも、マイクロソフト創業者のビルゲイツ氏が引退し自ら作った財団の慈善活動にシフトしていく旨の発表があったが、発想は同じであると思う。