
ベストセラーになっている「Web進化論」については、つい最近にもこの場で紹介したが、著者梅田望夫さんについて書ききれていない感が残り、改めて他のサイトからの引用になるが、取り上げることにした。「梅田望夫と語る会に昨年フリーディスカッションでの内容がまとめて紹介されている。
(1)世の中は、何かを生産すると直ぐに共有されて無価値になってしまう方向に進んでいる。この流れが進むと、いずれはカネを稼ぐ手段は人に対するサービスを提供する手段に集約されていく。
(2)アメリカには、ホットな分野に資源を大量に投入して一気に発展させる力がある。しかし、「終わった」と見なされた分野ではピタッと進歩が止まる。自動車産業しかり、家電分野しかり。日本ではどの分野もこつこつと進歩させていくので、それが日常生活の利便性の向上に繋がっている。
(3)自分の得意なものをいくつか組み合わせてみると、誰もいないユニークなマーケットに行き着くことが出来る。そこに行けば競争が殆ど存在しないので非常に楽になる。ただ、多くのものを組み合わせた方がユニークなマーケットになりやすいが、それだけサイズが小さくなりがちなのでバランスを考える必要がある。
(4)Google Adsense は先進国の人々にとってはそれほど大きなインパクトは無いかも知れない。しかし第三世界の人々にとっては、先進国と同じ水準でドルベースの収入を得られるという物凄いシステムであり、世界の生活レベルの平準化を進める要素になる。
(5)インターネットは「マトリックス」の世界に進んでいる。あの映画では人間はエネルギーをマザーコンピュータに供給する「電池」になっていたが、この世界では人間は知的資源をインターネットに供給する「知の電池」になっている。その量があまりに膨大で、限られた時間内で個人が全てを消費するのは無理なので、重要なのが「検索」である。
(6)Entrepreneurshipの正しい訳は「起業家精神」ではない。起業という意味は含まれていない。より良い訳語は考慮中。(僕がとりあえず考えてみたのは「ビジネス推進要素」)
(7)今も昔も未来も変わらない「対人能力」とは、共通の知識背景を持つ人とのコミュニケーションだけではなく、どんなにバックグラウンドが違う人ともコミュニケーション出来、ビジネスを進められる能力である。
Web2.0の世界だけでなく、ビジネスを立ち上げようとする人には、示唆に富んだ内容だと思う。