一寸前にMicrosoft会長のBill Gatesが、自ら「ライブの時代」と称するソフトウェアの新局面の幕開けとして、自社の中核製品を補完するインターネットベースの新製品を立ち上げる計画を明らかにしている。
Gatesは、Microsoftが「Windows Live」および「Office Live」の開発に取り組んでいると語った。どちらも小規模企業や消費者がターゲットで、サブスクリプション形式でのオンラインサービスや広告販売のチャンスを同社にもたらすものとなる。Windows Liveはインターネットベースの個人向けサービスで、電子メール、ブログ、インスタントメッセージ(IM)などが含まれるという。このサービスは主に広告収入で支えられ、またOS本体とは別のものになるという。一方、Office Liveはサブスクリプション形式で提供するものと広告付きで提供するものとの2つが用意され、人気の高いデスクトップ用Officeを補完することになる。又、製品担当者であり、11月18日に行われた「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn 次世代ウェブの検索サービスを探る」にスピーカーとして参加した米MicrosoftプロダクトマネージメントジェネラルマネージャーのDerrick Connell氏への、サービスの狙いや将来の展望についてのインタビューが出ている。Windows Liveには3つの大きなイノベーションがあり、1つはライブインフォメーション(生きた情報)、2つめはコミュニケーション、最後はセーフティーとセキュリティーとされている。
ビジネスモデルは2つ用意され、当初は広告モデルが大部分を占める見通しでサービス自体はほとんどが無料になる予定であるが、今後課金モデルも併用することを考えており、有料サブスクリプションサービスも用意される可能性があるという。
又、関連して、ビルゲイツがオンライン分野で多くのライバルに直面するMicrosoftが取り組むべき課題の概要をまとめたメモを社内に流したという話が出ている。「現在到来しつつある『サービス化の波』は、非常に大きな断絶を生み出すものとなろう」と、Gatesは米国時間10月30日付けのこのメモのなかに記している。Gatesはこのメモのなかで、Ray Ozzieが先にまとめたメモを引用しながら、新たな収入源としてオンラインでの広告と各種サービスの分野を開拓することの重要性について、その概略を示している。Ozzieはこのメモの中で、Microsoftの最も手強い競争相手としてGoogleを挙げる一方、YahooとApple Computerにも言及している。Googleは明らかに最も目立つ存在だが、しかし彼らが進める無数の取り組みのうち、どれが単純に広告ビジネスの拡大をねらったものであるか、あるいはどれがわれわれの提供するものに大きな脅威を及ぼすものへと成長を遂げる可能性があるか・・・といったことは、いまのもてはやされからからすると断定するのが難しい」とOzzieは記している。
 いずれにしても、ソフトウェアビジネス、すなわち如何に対価としての収入を得るかの方法は今後劇的に変貌していく可能性がありそうである。