今日、父は息を引き取った。
朝から反応は鈍く、昨日よりも悪そうだった。
昨日から尿が出ていない状況だった。
午前中、看護師訪問あり、全身清拭をしてくれ、家族で大事にしていた髭を順番で整えた。
私は全身清拭の時、子供達の相手をしていた為、次会った時には大好きだった鬼滅の刃のTシャツに着替えていた。
看護師さんから、今の状況で後余命は明日か明後日と話があった。
昼ごろ、母が取り乱して痰をとって!と私を呼んだ。痰を取りたかったが、チューブが入らず、母は酸素をあげたいと3リットルにした。
それでもしばらくは意識朦朧とし、このまま息を引き取ってしまうんじゃないかと思う恐怖に駆られた。1階のばぁちゃん、おばちゃんを呼び、みんなで必死に声を掛けた。ばぁちゃんは過呼吸寸前で全身震え膝から崩れ落ちてしまった。母の希望で、看護師さんを呼び、状態を診てもらったが、その時には血圧が90台まで上がって、呼びかけた方を見たり、頷いたり、多少の発語も聞かれ、反応が良くなった。
後からの話だが、あの時はお別れ会みたいだったねと笑い話になる状況だった。
キッチンにいる私にまで聞こえる声で「疲れた」と言った。音楽聴いてゆっくり休もうと母が提案。私は退室し、母と弟が父を見守っていた。すると、何か言ってるけど分からないと弟が私を呼んだ。CPAPをしている為聞き取りにくいが、ツキ?ツギ?サケ!?!?と聞き返すと、頷く。酒が飲みたいの?頷く。母がたまたま弟の為に買って置いた生ビールのエビスを口腔ケアのスポンジに湿らせ、口を拭ってあげた。その後も、もう一回と言った。合計3回繰り返し、ビールをあげれた事は本当に良かった!肝細胞癌が見つかってから、あんなに好きだったお酒を禁酒していたパパ。最後の願いは、お酒でその願いを叶えてあげれた事、とても嬉しかった。
その30分後辺りに、本当のお別れする時が来た。丁度、私、母、弟がいる時だった。目が虚になり、呼吸も気になる動きだった為、CPAPを外し確認。大きな呼気が2回あり、胸の動きが止まった。18時5分たった。瞳孔も確認してから、看護師を呼び、18時50分ごろ先生と看護師が到着。死亡確認をした。