ゆ~らゆらと、上下左右に動くのが

 

火の玉なら、きつね火はゆらゆらとしない

 

のです。 炎の揺らめきがないのが特徴で

 

そしてパッと消えては、パッと瞬時に移動する

 

のが、きつね火の特徴です。

 

一瞬そこに誰かが明かりを灯しているの

 

かなぁと思うのですが、そこは人が立つ

 

ことが不可能だということが、子どもでも

 

安易に想像がつくのです。

 

このきつね火は、子どもの賑やかな声が

 

大好きで、真っ暗なときにみる事よりも

 

薄暗くなりはじめる、黄昏どきにみる事が

 

多かったように思いました。

 

きつね火をじっとみていると、催眠術の

 

ようなものに、かかるのかもしれません。

 

その灯りから目を離せなくなると、その

 

灯りの後を追いたくなるのです。

 

きつね火は、きつねが化かしているのでは

 

なくて、”灯り妖” を偶然にみて後をついて

 

いって、きつねに化かされたとなっていった

 

のです。

 

灯りの妖は、命までは奪いません。

 

はっと我に返ったとき、川にずぶ濡れに

 

なっていることが多いのですが、

 

それは後をついてくるな、目を覚ませと

 

川にいれるのか、または妖の後を追って

 

川にはまって浸かってしまうのかまでは、

 

正直よくわかりません。

 

昔は森がたくさんありました。

 

妖怪や妖しは、森や山の中に住む

 

精霊でした。

 

森も山も少なくなった 妖したちは

 

いまどこにいるのだろうかと思ったり

 

いたします。