映画『劇場』

脚本が蓬莱竜太さん、と知り、それは是非観たい❗と思い

上映映画館を調べたらすごく少なくてビックリ💦
と、思ったら、同時期に配信なのね…ご時世かな

事前にネットのレビューを読んでいたら賛否両論、中には酷評もあり…
そして、多く見られたのが、永田(演:山崎賢人)がクズ男だ、という感想
ほうほう、なるほど、そうなのか
…と思って観に行ったけれど、
私にはクズ男、とまでは思えず
プライド高いのに伴ってない、ちょっとこじらせ系の人ね、くらいにしか思えず
あとは、社交性に欠けて、自己中心的で相手の気持ちを考えられない人、かな、と
まあ…あのくらいの人ならよくいる程度なんじゃないかなぁ、と思え
(せいぜい「ダメな人」程度かと)

どこにも共感できなかった、という感想も見受けられたが
(そして、個人的には映画は共感できなくてもおもしろい作品はある、と思うけれど)
私には共感できることも多くて刺さりまくり
ふー…
若い頃って、自分を守るために相手を傷つけるようなことを言ったりしてたよなぁ、て…(そんなことをする必要はないのだよ、と、気付けるのは少し歳を重ねてから…)

沙希(演:松岡茉優)が振り回されて可哀想、という感想もあったけれど、
私にはそうは思えず…
出逢った頃に既にそれなりの歳だったので(判断能力のない子ども、ではない)
沙希は自分で選んで永田と一緒にいたのだと思うし、一緒にいることが彼女の幸せだったんだろう、と思えたけどなぁ
人の幸せのかたち、て、人それぞれかな、と、思うので

お互いに想い合っている男女が、踏む込むことで傷つきたくなくて、関係を前に進めることもできず、解消することもできず、お互いに想い合っている故に、結果的に傷つけ合ってしまう
ぶつかると割れてしまう、薄く繊細なガラスのような、
そんな二人の軌跡の話、と、思った


恋愛って、楽しいけど、相手をもっと知りたい、理解したい、一緒に歩みたい、と、思って深めると、辛くて苦しいことも多くなるよなぁ…
(そんなことに少し疲れてしまって、早々に結婚したような気がしなくもない…)


人物表現や細かい心理描写などが上手くて、さすが蓬莱さんだなぁ、と、思ったけれど、原作未読なので、原作の力なのかも

日常淡々系が好きなので、二人と二人を取り巻く人々とのエピソードの連なりの構成は好きな作風

ラストはなるほど!それでタイトル『劇場』かー、と、思え

下北沢や渋谷など、見知った風景が出てくるので嬉しくて

映画観てて、あー、私、やっぱり舞台大好きだぁ、と、再認識し

ケラさんがチラリと出演されていてグフフとなり😁


永田は、DVもなく、多額の借金を沙希に押しつけてトンズラ…などはしていないので、クズ男とまでは思えず
敢えて言うと、経済的なことがそう思える理由なのかなぁ、と
同棲して生活費のすべてを沙希が負担していて、永田は働いていない(ように思えた)ところかなぁ
でも、これ、男女が逆だったらどうかな?
夢を諦めきれない収入のない彼女を経済的に支えている彼氏…ならどう思うか
世の中、まだまだ、経済的に男が支えるべき、みたいな考えが根底にあるのかな~と推測

沙希が振り回されて可哀想、て、思う人、て、もしかして、自分のことも他人から振り回されている、て、感じることが多い人なのかなぁ、とも推測

ちなみに、私は永田みたいな男とは絶対に付き合わないと思うけれど、
私が男だったら、永田みたいになる可能性けっこう高いと思う~、
と、言ったら、確かにー、と、夫に言われた
(私は諦めが早いので、自分の才能がないことへの見切りは早いと思うけれど)

若い頃のことって、いま思い出すと、グギャーーーーと奇声を発して逃げ出したくなる、ようなことをたくさんやらかしてきたけれど、その経験もあっての今かな、と
(そんな経験しなくても若い頃からあれこれ悟れるならよいのだけど、そして未だ発展途上)

そんなあれこれも思いつつ、
ネットのレビューを読んでいて現代人の心の闇まで垣間見えたような
そんな色々を考えられた映画だった
なかなかよかった

気になっている方は是非❗

(誰かを傷つけてしまった記憶などある人は、若い頃の自分を思い出して奇声を発したくなるかもしれない覚悟でご鑑賞ください😁)

パンフレットを買おうと思ったら品切れだった…残念

もう一回観たいな


それにしても、ユーロスペース、久々すぎ

むかし、移転前に『トニー滝谷』を観に行ったっけ
移転後も何度か行ったけど、『薬指の標本』以来だっけ??と、思って調べてみたら、15年も前の映画のようで…!まじか!久々すぎー!

2020/7/ 26

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