今日のNHK生活ほっとモーニングで、ペギー葉山が「あかねさす紫野」という歌を歌った。これがなかなかいい歌だったので紹介したい。
額田王の「茜さす紫野行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る」が元歌である。
前の恋人が気のある素振りをするのをみて、亭主に気兼ねする一方、心ときめかせる人妻・・・。
このなまめかしい心情を、山口洋子が的確に作詞していたが、曲は軽快で洒落ている。作曲は大塚博堂、編曲を小六禮次郎。
こういう艶っぽい歌を、多分高齢者ファンの多いNHKの朝番組で、しかも74歳のペギー葉山が上手に歌ったから、まだ58歳ながらすでに色恋とは無縁になってしまった私は少しどきっとした。
YouTubeにもなく試聴版もないようなので、聴いてもらえないのが残念。
1979年に出した企画レコード「恋歌-万葉の心を求めて」の一曲、つまり30年前の歌だが、埋もらせておくには惜しい気がした。
埋もれているなどと失礼な言い方をしたが、日本レコード大賞企画賞を受賞しているし、93年にCD化もされているから、私が知らないだけで、知る人ぞ知る歌なのかも知れない。
作曲者の大塚博堂という名前はどこかで見たことがある程度。今回Wikipedeaで調べてみると、遅咲きのシンガーソングライターで、1981年37歳で早死にしていた。1976年の「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」は120万枚突破の大ヒットとあるが、全く聴いたこともなかった。

大塚博堂「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」

しかしダスティン・ホフマンという名前は、20歳前の私の人生に密接に結びついている。卒業(1967年)、真夜中のカーボーイ(1969年)で一躍脚光を浴びた彼の映画を、若かった私はリアルタイムで観たが、ちょうど私の年齢にフィットする映画だったのは幸運だった。あの頃はこのような青臭い青春映画が多かったが、私の生き方も不器用で、思い出すのも恥ずかしい。ジョンとメリー(1969年)はテレビの深夜映画で観たと思うが、もう中年になっていた私にはセンスがいい映画という印象しか残っていない。
私が彼の映画を観ていたのは、デビューから約10年間の、わらの犬、パピヨン、大統領の陰謀、クレイマークレイマー、トッツィー、レインマンまで。あの頃は名優の名を欲しいままにしていたが、いつのまにかアル・パチーノやロバート・デ・ニーロの影に霞んでしまったような感じがする。
ただこれは、少なくともここ30年位全く外に向けてアンテナを張っていない私の感想であることをお断りしておく。
ダスティン・ホフマンを観なくなって20年位経ち、偶然、1999年のジャンヌ・ダルクで姿を観たのが、私が彼を観た最後である。

Mrs Robinson- A Tribute