NHK連続テレビ小説「瞳」は、最近、篠井英介演ずるローズママが、いい役を演じている。
月島でバーを経営するローズママは、ドラマが始まった当初、西田敏行家の里子の一番下の男の子から、「おばさんは男?女?」と聞かれ、「人間よ」と答えた人物である。これには私も同感
だが、この日常的なシーンの中では、演劇空間での台詞みたいで違和感を感じたものだ。
しかし今回は違う。
最近、榮倉奈々扮する瞳は、ローズママのスタジオで、ダンス講師をしている。ダンススクール生の時はスタジオをタダで使わせてくれたローズママだったが、もうお金を稼いでいるのだからと、瞳にスタジオの賃貸料を要求する。
「働くということは収入を得ることよ。でも貰ったお金以上のものをお返しするのが仕事なのよ」とローズママは言った。
今日のローズママは、賃貸料は講習料の一割という低率だから今月は数千円にしかならないとぼやき、瞳に営業努力するようハッパをかけていた。
人に甘えないで働くこと、前向きに生きることをローズママは教えているのだ。この、優しさに裏づけされた厳しい言葉に、ぐっときた私であった。
これまで私は、このブログで、このドラマを批評
してきた。批評
は時に傷つけるから、批評したことに責任を感じ、一時的一面的に見てはいけないとこのドラマを毎日欠かさず見ている。
この瞳という連続テレビ小説は、一話完結の短編を数珠つなぎにした構成ではなく、幾つものエピソードが完結しないまま同時進行する構造になっている。だから私が泣ける山場がなかなか訪れないのだと思う。
最終月である今月には、すべてのエピソードがクライマックスを迎え、大波が次々と押し寄せて、これまで泣けなかった分、どどどっと大感動が襲う仕掛けになっていると期待するのだが、果たしてどうだろう。