1万時間の法則
鍼灸治療は難しい、確かにそうです。「先生、鍼にお薬がついているのですか。」と患者さん。無理もありません。針金一本で、西洋医学のてこずる症状が治るのですから。私も不思議です。しかし不思議でも何でもないのです。年季と刺鍼技術に答えがあります。うまずたゆまずやっていれば、なんとかその境地に達します。とは有名な亡き有名な先生のお言葉。「医学はもともと医術と言われた。医術は科学に基づいたアートである。鍼灸治療はまさにこれです。」鍼治療はアート、芸術。毎日血のにじむような訓練で一人前になるのです。専門学校で知識を教えてもらうだけでは成り立ちません。「一万時間の法則」といい、真剣に一日4~5時間がんばり、ちょうど1万時間、10年かかります。私も、脈診は何となくわかるまで10年かかりました。知識は教科書に書かれていますが、感覚がわかるまで10年です。こつこつ年月をかけて達成したものはとても素晴らしい宝です。いま、野球の日本シリーズがやっていますが、年間かけてコツコツ1位になったチーム同士が戦う姿がみたかったなと毎年思います。院長 松尾正己