地方都市マニアNのブログ

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「近頃の若いモンは…」
よく聞く言い回しですよね。


高校の古文の授業で、旧仮名遣いの「ゐ」と「ゑ」について習ったときのことです。

「ゐ」「ゑ」はワ行なので、元々はちゃんと「ウィ」「ウェ」と発音されていたのが、昔の日本人はこの発音が苦手だったらしく、
時代が下るにつれて、「イ」「エ」と発音されるようになり、発音上は「い」「え」と区別がなくなってしまった。
しかし表記としては、戦後になって現代仮名遣いが採用されるまでは残っていて、使われ続けていたと。

「ゐ」「ゑ」が、「い」「え」と発音上の区別がなくなりつつある時代の文書で、
「近頃の若いモンは、“ゐ”と“い”、“ゑ”と“え”の発音の違いもわからない。まったく困ったもんだ。」
と書かれたものが残っている。
いつの時代も、若者ってのはバカにされるもんなんですね。

…という話を、古文の先生が紹介してくれました。


このエピソードは、個人的にちょっと衝撃だったんですよね。


「近頃の若いモンは…」
「近頃の子供たちは…」
こんな言い回しを、我々は子供の頃からいろいろなところで耳にしてきています。
そして、
「自分たちの世代ってのは、よっぽどダメなんだな…」
「親や祖父母の世代は、自分たちと比べると余程立派なんだな…」
という潜在意識を植え付けられてきたわけです。

しかし、冒頭の話からすると、自分たちの親や祖父母の世代も、彼らが少年・青年だった時代には、きっとさらに上の世代の人たちからそう言われてきたんだろう、ということになります。
「なんだ、自分たちがダメなわけじゃないんじゃん!」
と思ったものです。


しかし、私は今24歳ですが、24歳というと、小学校・中学校の頃に出会った新卒の先生が、ちょうどそのくらいの年齢でした。
そう考えると、自分が小学生・中学生の頃に描いていた「24歳像」というのは、威厳と権威を備えた「立派な大人」でした。
そして、自分も24歳になる頃には、当然そうなれるものだと思っていました。

ところがどうでしょう。
いざ24歳になってみると、はっきりいって微塵もそうなっていませんw
むしろ、小学生・中学生時代と比べて何が変わったかと問われても、答えに窮するくらいです。
自分に限らず、周りの同世代を見ても、子供の頃に思い描いていたイメージとは程遠いというのが、率直な印象です。

小学生や中学生が抱く20代のイメージそのものが、虚像だったという面はあると思います。
子供の頃の視点と、実際に20代になった自分の視点とでは当然見え方が違うでしょうから、その影響もあるとは思います。
ですから、恐らくどの世代の人でも、多かれ少なかれ20代になってみて
「子供の頃に思っていたイメージとは違うな」と感じた経験はおありでしょう。
ありますよね!?


私が今感じている、子供の頃のイメージとのギャップというのは、こういうことで説明できる錯覚の範囲にすぎないのか、それとも本当に、今の20代は親世代・祖父母世代が20代だった頃と比べて「ダメな世代」なのか。
そこが私にはわからないのです。

是非、いろいろな世代の方から率直な意見を伺ってみたいのです。



そして、これを数十年、数百年スケールで考えると、もっと大変なことになります。

大体どの時代にも、若者というのは「近頃の若いモンは…」といってバカにされるような存在である。
もしそれが真理なのであれば、日本人は時代が下るごとに「愚かな民族」になっていっているということです。
今の日本を動かしているのは、日本が既に、世界に冠たる経済大国になった(なりつつある)時代に生まれ育った世代です。
そういう現代の現役世代と、戦後の焼け野原からの復興と奇跡の経済成長を成し遂げた世代とを比べたら、どうか?
そして、日本を亡国の道へと誘ってしまった、戦前の日本人と比べたら…?
極東の後進国を欧米列強と並ぶ大国にまでのし上がらせた、明治の日本人と比べたら…?
「太平の世」江戸時代の日本人と比べたら…?
などなど、考え始めるとキリがありません。

私個人の考えでは、部分的には、
時代が下るごとに、人間は堕落していってしまっている
というのは真理かもしれない、と思っています。

科学やテクノロジーに関しては、時代が下るほど、人間はより豊かな「知」を得ることができます。
これは間違いないでしょう。

問題は、人間性、精神、そして「器」とか「懐」とかいうようなものについてはどうか、ということです。
これも必ずしも、時代が下るごとに細ってしまっているともいえないでしょう。
人類の歴史上において、現代という時代ほど、人間がいろいろなことを考えながら生きている時代はないと思います。
しかし、時代の移り変わりとともに失われてしまったものもあるはず。
そこを比較したときに、どうなのか?

これが私にはわからないのです。
まあ、誰にもわからないと言ってしまえばそれまでなんですが…。

科学やテクノロジーを信奉する大学の中にあって、そんなものよりも「温故知新」的な考え方の方に傾倒している異端児の私としては、そんなことがふと気になったりします。


もっと、理系脳じゃない人たちの話を聞きたい。
もっと、いろいろな世代の人の話を聞きたい。

どうしたらいいんでしょうw