10本の手のひら私のこの手は何も掴みはしなかった。 ただただ無力だった。 助けたいと願った。 必死にに手をのばした。 さしのべた。 指が触れた。 届くと思った。 届いたと思った。 何もなかった。 掴んだ右手には何もなかった。 救えたと思ったのに。 こんな私でも救えることができるのだと、 それは幻だった。 それでも拭うことはできなくて、 だらりと下げたこの手は 決してなくなることはない。 いつか誰かを救えるのだろうか。