これは私が小学2年生の時の話です。当時私は、集合住宅に住んでいて周りには同じような年の子供がたくさんいたのでその子達とよく遊んでいました。
 かくれんぼがはやっていたころがありました。私はあまり得意ではなく、しょっちゅう見つかってしまっていました。
 ある日、住宅の最上階に隠れれば見つかりにくいのではと考え、実践しました。
 そこで最上階の4階まであがり、息を殺して座っていました。すると、「もういいかい」と言われました。そこで、「いいよ」というと、すぐに「こっちだね」といわれました。声でどの辺に隠れたかすぐにばれてしまったのです。
 あせった私は目の前にあった扉に駆け寄りました。どちらにも人は住んでおらず、無駄としりながらも見つからぬようしずにいられませんでした。右の扉はびくともしませんでした。しかし、左の扉は……なんとするりと開いたのです。さっそく私は逃げ込みました。
 扉の内側に入り、鍵をしめ、じっと鬼が来るのをみます。足音が近づいてきて、見えてきました。私はじっと身動きせず待ちました。その子は首をかしげながら、階下へと降りていきました。そっと胸を降ろしかけたその時。
 「誰?」
 誰もいないと思いこんでいた部屋から私たちよりも少し大人の声が聞こえてきました。
 こわごわ後ろを振り返ると、中学生くらいでしょうか。お姉さんが座っていました。
 「だめだよ?勝手に入ったら。って、あたしが言っても説得力ないか。」
 そういってお姉さんはくすくす笑いました。
 そこで、かくれんぼをしていて見つかりたくないことを説明しました。
 「そう。かくれんぼしてるの。懐かしい。」
 このお姉さんは何をしているのだろう。興味のわいた私は聞きました。すると、
 「……現実逃避かしら。」
 げんじつ……とうふ??
 「んーとね、嫌なことがあったの。だから、弱虫なお姉さんは逃げちゃってここにいるの。わかる?」
 言っていることは分かりました。そこで、鬼が降参するまで私はここにいたかったので、その旨を伝えました。
「じゃあ、お姉さんと一緒に少し遊ぼっか。お姉さん、ヒマなんだ。何がしたい?」
「今、学校であやとりがはやってるの。お姉さんもできる?」
「綾取りかぁ………懐かしいなぁ、子供の頃よくやったよ、これ。」
「二人綾取り、しよ」
 お姉さんはどこからかひもを取り出すと、結び、綾取りが始まりました。
その綾糸はするすると、まるで生き物のように動き、私の首を絞めました。