そして、目が覚めた。
今、私はここにいた。
見たこともない噴水があって、初めて見る公園にいた。
私は走り続けた。
何の為に走るのか、何かを追いかけているのか、どこへ行こうとしているのか、全く分からなかったが私は走り続けた。
目の前に突然、鳩が現れ飛び去っていく・・・・・・・・・・
そして、目が覚めた。
私の目の前には恋人の優雨がいた。
私自身は教室にいる。
けど、何か違和感がある。何かが狂っている感じがする。
少し考えてわかった。
優雨は窓枠に座っていて体を揺らしている。
違和感の正体は優雨だった。笑っている。けど、いつもみたいな優しく心強い笑みではない。残酷な冷たい笑みだった。
「一緒に行こう」
そういわれてフラフラと優雨の方へ行ってしまう。
優雨が手を伸ばしてきた。
迷うことなくその手を取った瞬間、
手が外側に引っ張られ体が窓枠をこえた。
「サヨウナラ」
優雨はにっこり笑ってくれた。
けど、どんどん地面が近づき・・・・・・・・・・・・・・・
そして、目が覚めた。
目の前には優雨ではなく親友の冷華がいた。
冷華は右腕から血を流し、左腕で押さえていた。
「なによ。ボーっとして。ほら、やるならやりなさいよ」
意味は分からなかった。けど、何かしらの恐怖を感じた。怖さで手を握りしめた。手には堅い何かが握られていた。
堅い何かは拳銃だった。
「やらないなら、こっちからいくよ?」
言い終わるが早いか冷華が飛びかかってきた。
とっさに腕を上げ引き金を引いた。
乾いた音がひびいた。ただ、1回ではない。2回、3回と続いていく。
冷華が高く笑う。
血がどんどん吹き出てくる。
気持ち悪くなり、目を閉じ・・・・・・・・・・・・・・・
そして、目が覚めた。
いつも行くスーパーにお母さんと一緒にいた。
「ねぇ、このブロッコリー明日食べようか」
「そうだね。いいんじゃない?」
「そうねぇ。じゃあ、この包丁は?」
野菜売り場にいたはずなのに、いつの間にか移動していて私はお母さんに胸を包丁で刺されていた。
「ねぇ、どう?あ、こっちもいいわね」
「え、ちょっと…」
「あら、これもうダメになっちゃった。お父さんにまたねだって買ってもらわなくっちゃ。」
大量出血でだろう、意識が遠のき・・・・・・・・・・・・・・・
そして、目が覚めた。
横にはかわいがっている近所の男の子がいる。
「どうしたの?お姉ちゃん。顔色悪いよ?あ、あめ食べる?」
「ありがとう」
「どういたしまして」
にっこり笑ってくれた。その笑顔に心がほっとする。
「ねぇ、今日は何する?」
「そうだね。じゃあ今日は…」
突然、胸が熱くなり胃のあたりが何か焼けた感じがした。
「あ、あめ効いたみたいだね。よかった。全然何ともなさそうな顔してたから心配してたんだ。効果なかったかなぁって」
そして、目が覚めた。
いつも通っている通学路にいた。
横には優雨と冷華がいる。
さっきまでの夢を思いだしとっさに後ろへさがる。
「どうしたんだよ、突然?」
「どうかした?ヤダ、汗びしょびしょ。顔色おかしいよ?」
優雨と冷華が顔をのぞく。
「ううん、なんでもな…」
言いかけて止まった。体の両脇から何かが生えていた。
包丁と果物ナイフ・・・?
「じゃあね」
「お前のこと嫌いじゃなかったよ」
だんだん、意識が遠のいていく・・・・・・・・・・・・・・・
そして、私は死んだらしい。けど、死因は刺殺ではなくなっていた。
車でひかれて死んだことになっている。ただ、死体はまだ見つかっていない。
当然といえば当然である。
だって、優雨と冷華に食べられたから。