初めからうまく行くとは思っていなかった。主要部品は拾ったものや鉄屑から探し出したものだし、ハンダ付もまともにやれていない。
だから「やっぱり」と納得。しかし放送はどうしても聴きたい。子供ながらに知恵を絞る。
まず、部品の確認だ。
バリコンをまわすと少し雑音が聞こえる。クリスタルイヤフォンはOKだろう。バリコンの薄い板の接触は無さそうだ。ゲルマニウムはハンダ付時に壊れてしまったかも知れないが、わかる術は無い。
部品よりも最大の原因はハンダ付であろう。各接合部をチェックするが、明らかな不具合は無さそうだが、外見からはしかとはわからない。怪しいと思ったところは再ハンダ付をやる。ただしゲルマニウムの接合部には手を付けず。
こうしてやってきても鳴らない。雑音さえも聞こえない事もあり、意気消沈する。
その後の自分を思えば、この時、私は驚異的と言っていい「粘り」を見せた。
アンテナを長く高くする。コイルを巻きなおす。つまみが無いのでバリコンの軸を直接つまんでいたのを、ゴムを巻いて対策。
そんなことが奏をこうしたのか、ある夜、瞬間的にイヤフォンから音声が流れてきたのでした。一瞬とはいえ物凄く嬉しかった。
もう、詳しくは覚えていないのですが、その後、多少は安定的に受信できるようになりましたが、楽しんでラジオを聴くという状況にはなりませんでした。
とりあえず拾ったゲルマニウムから始まったラジオ作りは、とりあえず受信できたという事で、一気に情熱が冷めてしまいました。
その後、中学生の3年生になり、級友にラジオ制作が趣味の子がいて、彼の影響で並3、並4,高1をすっ飛ばして「5球スーパー」にチャレンジする事になりましたが、それはまた。
(ゲルマニウムラジオのお話はこれにて終了)蛇頭蛇尾なお話で済みません。