久しぶりに真面目な金融の記事
1年半の英国赴任を終えて帰国したゴールドマンサックスの
山川哲史(ヤマテツ)さんのレポートを要約します。
このヤマテツさんのレポート、なかなか出回らないので、
社内でも一部の人にしか配信されていません。
毎月の楽しみの1つです
今回ヤマテツさんが取り上げたテーマは、
『3つの「C」-夢・・・再び』
投資には「テーマ性」が必要です。
お客様に投資商品を提案する時も、自分の考える軸を
しっかり持って提案なくてはなりません。
2003年から2004年に大ブレークしたテーマはBRICs。
(ブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の頭文字)
その時に、ヤマテツさんが掲げたテーマはこの3つ
①中国(China)
②コモディティ(Commodities)=商品
③クレジット(Credit)=信用
まさに3つの「C」
この3つのテーマはご存知の通り、一時一世を風靡しました。
それからリーマンショックなどの金融危機を経て、
再び浮上している投資テーマはまたまた3つの「C」
2009年から2010年にかけての景気、及び金融市場は、
この3つの「C」を中心に展開するとヤマテツさんは
考えています。
今回のテーマ、3つの「C」とは・・・
①コモディティ(Commodities)
えっ?!また?と思いますが、ヤマテツさん曰く、
世の中には中長期に亘る半普遍的なテーマも存在するとか。
コモディティは①過剰流動性、及び②新興国の回復、
さらには③供給天井に近づいた時の価格の需要弾性値
上昇を背景に上昇傾向を辿るそうです。
②キャリー(Carry)
今世間で言われている「ドルキャリー」(金利の低い米ドルを売って、
金利の高い資源国通貨を買う動き)ではなく、世界の債券市場は、
キャリー(+ロールダウン)が主要なテーマになるのだそう。
ヤマテツさん曰く、「世界は着実にかつてのJGB(国債)を彷彿とさせる、
①ディスインフレ(デフレ)、②ゼロ金利政策の長期化による「時間軸効果」、
そして③キャリー確保を狙う金融機関による国債投資のデュレーション
長期化のお馴染み3点セットの世界へ着々と収斂しつつあるとのこと。
③コントラスト(Contrast)=差別化・対照
G7(先進7カ国)と新興国の間で、新興国についても特にBRICsの間で、
あるいは新興国全体でも特にアジア新興国(アセアン)と東欧新興国で、
ありとあらゆる断層で着々と差別化が進みつつあるそう。
最近のマーケットはすごく難しい
新興国株式、新興国通貨なども高値警戒感があって、
ここから買いに行くのは勇気がいります。
ヤマテツさんのレポートは非常に読みやすく、
これからの投資テーマを考える際にとっても
役立ちます