今日はアメリカの大手債券運用会社のセミナー
に参加してきました。
題名は『米国経済の見通し』
ありきたりなテーマですが学ぶことはたくさんありました
彼らのメッセージは2つ
①今のマーケットに“リセットボタンはない”
②“グローバルな経済システムがかつての姿に
戻ることはない。新たな目的地(Destination)に
向かって変動の大きな旅(Journey)が始まる”
今起こっていることをざっくりまとめると・・・
2006年は行き過ぎたアメリカの住宅価格に歯止めがかかり、
下落し始めました
2007年はサブプライムローンをきっかけにアメリカの金融
システムが狂い始め、金融セクターの株価が下落し始めました
(2007年1月~2009年1月末の金融セクター株は7割以上の下落)
2008年は米国消費が戦後初の減少となり、世界経済の停滞へと
波及していきました。
当初、日本のある大臣が、米国金融危機による日本への影響は
「蜂に刺された程度」と発言していました。
ところが、結局、外需(特にアメリカの消費)に頼っていた日本経済
の打撃が一番厳しいものになってしまいました。
(トヨタの北米売り上げは35%ダウン)
それは、先月発表された日本の10-12月期のGDP成長率が、
年率換算で-12.7%という数字で証明されています。
(この数字は主要先進国の中で一番悪い数字でした)
アメリカ人が、値上がりしていく住宅を担保に借入れをし、
消費に回すことによってもたらされた世界中の好景気は、
一瞬にして世界中の資産バブルを崩壊へ導くことになりました。
これからアメリカ人は、できるだけ借入れをなくし、貯蓄に
回していくことを最優先にする保守的な行動を取るように
なってきます。(過剰消費から貯蓄へ)
そんな変化が起こっている中で、元には戻れない市場は
これからどこへ向かうのでしょう??
彼らの結論は、
『政府の関与が強まる新しい時代になる』
ということでした。
そんな時代の中での投資行動は、
“今政府が売っているものを売り、
政府が買っているものを買う”。
つまり、今アメリカ政府が増発している米国債を売って、
政府が管理下に置いているファニーメイやフレディマック
などのエージェンシーモーゲージ債券、公的資金が注入
されているアメリカの金融債などを買う。
債券運用に特化した会社のセミナーなので偏りはありましたが、
個人的に「今割安なものを買っておいた方がいいのでは?」と
思っていた私の考えは打ち砕かれてしまいました
『リセットボタンはない』。
つまり、既成概念を根本から変えて、新しい経済システムに
合わせて物事を分析し、受け入れる必要があります。
政府と民間セクターの役割が今後どういう風に変化していくのか
新しい時代を、金融の最前線で見られるのは、
ある意味楽しみでもあります