先日、塩川元財務大臣の講演を聞いてきました。
現役の頃は、記者会見でいつも歯にものきせぬ語り口で
お話されていたので、世界金融の混乱の最中、
どんなお話が聞けるのだろうと楽しみにしていました!
ところが、しおじいの話は目先の金融波乱のことではなく、
「日本のあるべき姿」についてのお話でした。
しおじいは、
・日本はまだまだチャンスがある国だ
・日本の未来は、日本が持つ素晴らしい技術を
駆使すればきっと明るくなる
ということを強く語っておられました。
興味があった話の内容を要約すると、
①日本は他国にはない素晴らしい技術をたくさん持っている。
②特に、日本の農業技術や土木技術はとても優れているから、
多額の外貨準備や国の予算をもっと技術に投資し、有効活用
すべきだ。
③現在、新興国が食料不足に陥っているのは、国が成長し、
人々は豊かになり、農業から離れて、工業に力を入れるように
なったから。
④さらには投機的なお金がエネルギーや穀物、金などに振り向けられ、
過剰流動性(金余り)が生み出した投機的な投資が、世界をより危機的
状態にしている。
結論は、もっとお金を有効活用して、インフラ整備が未発達な国々に
日本の技術を浸透させ、水や食料を供給することで、他国、しいては
地球に貢献していこう!
興味があったのは、この辺りの内容でした
しおじいの話を聞いた直後、日経新聞の1面に「日本人とおカネ」
という特集が始まり、釘付けになりました
まず、7月24日付けの記事では、日興アセットマネジメントの
ビル・ワイルダー社長がこのように言っていました。
①「なぜ日本人は日本に投資をしないのか?」
②「為替変動の影響もなく、情報開示も充実している。
何より優良な企業が多いのに・・・」
日本人だからこそ、もっと日本の未来のためにお金を使っても
いいのでは?ということを考えさせられます。
次に、7月25日付の記事には、「自分で選び、未来を託す」
というテーマで書かれていました。
・今年の5月にスタートした「ふるさと納税制度」を例に挙げて、
個人が意志を持って「納税先」を選ぶ動きは着実に進んでいる。
・出口の見えない世界金融の混乱が続く中、貯蓄から投資への
お金の流れも滞りがちだが、それでも、個人マネーを強く
引きつける投資がある。
例えば、
①北海道の「市民風車ファンド」-市民の出資を募り、
発電用風車を建て、売電で得た収益を配当にまわす。
②今年の3月に大和証券で個人向けに売り出された
「ワクチン債」-集めたお金をアフリカなどでのワクチン
普及に充てる。
このような環境に役立つ投資や社会的貢献を実践すれば、
お金はいい循環でまわり、地球にも優しくなれる気がします
最後に、この記事はこう締めくくります。
「お金を何のために使い、何のために
投資するのか。
何気なく、あるいは仕方なく選んでいた
お金の使い方を改めて考え直す。
選んだ道が、単なる自己満足や失敗に
終わる可能性はある。
しかし、考え、失敗しながら進んだ時、
家計は一段と強くなる」-と。
昨今のサブプライムローンは、一昨年、昨年前半の上げ相場
(株高、不動産高、円安)時の「投資すれば儲かる」という
考え方をばっさり切り捨てました。
だけど、この1年間の下げ相場を経験し、
改めて「投資」とは何なのか?ということ深く考え
させられました。
しおじいが言うように、日本の未来の可能性を信じて、
自分の大切な資産の投資先を真剣に選ばないといけないなと
思います。