PC管理部門だけでは失敗するPCのライフサイクル管理 | 国際IT資産管理者協会 武内烈

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新しい価値提案の能力が求められるIT部門。
サービスモデルの実現には不可欠な「サービス資産・構成管理」、「IT資産管理」。
サービスプロバイダとしてのIT部門の「あるべき姿」とは?

国際IT資産管理者協会 認定講師/ITIL Expert 武内烈のブログ

【PC管理部門だけでは失敗するPCのライフサイクル管理】














IT資産管理プラクティショナーの基礎知識















PCの 管理は複雑です。要件も幅広く、関係者(ステークホルダー)も多部門に渡っているので、要件を統合的に管理し、「データ統合」により部 門横断的に「統合された台帳を共有」し、全体最適化を図らなければ、複数部門で似たような台帳が数多く作成され、データがあちこちで重複し、部門間のデー タの整合性がとれず、鮮度の低いデータを基に部門間の連絡が発生することで精度の低い部門間調整を余儀なくされています。








結果として以下の状態を招いています。













1. 資産の状態が明確に把握できない


故障が多いPCを発注し、復旧に時間をかけユーザの業務に支障を来たしている。












2.資産の投資効率が悪い


遊休PC、利用されていないソフトウェアがわからない












3. セキュリティやコンプライアンスの状態把握ができない


必要なセキュリティ対策が講じられているのか:パッチの配信確認など:、ソフトウェアライセンスの契約は遵守されているのか












4. 契約や投資計画がプロアクティブに行えない


資産に関係する保守契約、リース・レンタル契約、ソフトウェア契約や、そのコスト、期間、必要性:契約期間終了にともなう再契約・契約終了処理など












それでは、どのようにしてこれらの状態を改善することができるのでしょう?







その解は、


PCを「サービスを構成する構成要素」と捉え、PCの「ライフサイクル全体」を見渡し、「組織横断的」に、「全体最適化」をゴールとして、管理業務プロセスを設計する




ということです。











それぞれの部門が台帳を起こして管理をすると、データは重複し、鮮度が保てず、整合性が取れない。そのようなデータを基に部門間の調整を行うと連絡や情報の 精査の無駄やミスコミュニケーションが恒常的に発生し、「とりあえず」、「だいたい」という場当たり的な対応で、「あちらの部門の情報がいい加減だから」 と、自部門だけで完結できる範囲で事を収めようとしてしまう。













「PCの 管理ぐらい」にしては、とても大変な作業に聞こえます。実際は、関係各部門の業務プロセスをフローチャートなどに落として必要となる共通データを洗い出 し、業務プロセスの見直しをかけながら、データ統合を行った結果をシステム化すれば実現可能ですし、結果は大きな効率化とコスト削減効果などを期待するこ とができます。













それでも、大変な作業といえると思いますが、不可能ではありません。あるいは、一つの選択肢としては、BPO(ビジネス プロセス アウトソーシング)化して、完全にPCをサービスとして「利用」する方法があります。また、「完全に社内でPCライフサイクル管理を行う」と、「BPO化してPCをサービスとして利用する」の間には、様々なサービス化の組み合わせが存在しています。







社内での「PCラ イフサイクル管理業務を組織横断的に全体最適化を図る」というゴールが、少し困難かなと思われたのであれば、部分的にアウトソースしてサービスを利用する のも一つの手かもしれません。ただし、あまり分割してしまうとポイントソリューションの乱立と変わりません(テクノロジーサイロからサービスサイロへ移行 するだけ)ので、「サービスの適切な粒度」は、一度専門家にご相談されるのもよいかもしれません。