大人のお洒落ラボラトリー ~イタリア人の色気~-borsa

イタリアのファッション雑貨を求めて何度も現地に足を運ぶようになってから早3年が経とうとしています。
イタリアの、人も文化も感性も全て大好きで、仕事として関わるのを辞める事を決断するのは向こうに行く機会が減るということで、とても辛い決断です。
何がそんなに惹かれるのか?っていうと何から伝えていいのか判らない位、多くの要因がありまして・・・
まず、尊敬すべきは歴史的建造物に代表される古くても美しいものを大事に保存し尚且つ生活の場にしているということです。
それは薄っぺらいモノを建てては打ち壊す近代建築とは相反すること。
初期費用は莫大ですが500年以上にわたって利用できるのは素晴らしく環境に優しいですよね。
建物だけではなくて、生活の中でも働く場所のなかでも古い道具を自然に使っている場面を見ると電気が突然使えなくなっても大丈夫そう。
彼らは食生活においても未だに紀元前と変わらず、パンとワインとチーズが必需品で、それらは自国の材料でまかなわれ、製造されています。
人々は自由な感性を尊重され、本能的な個性はしばしば衝突を引き起こしますが、自由な意見を戦わすという点では間違ったコミュニケーションではなさそうです。
一方、ファッションの世界においては独特の色のセンスを用いて常に日本人の私たちを魅了してくれます。
イタリアのファッション雑貨は斬新でありながら普遍的な美しさがあり、飽きを感じさせない部分は彼らの歴史的建造物を大事にする美的価値観と共通する何かがあるのではないか・・・というのは私の持論ですが。
これらの文化的美的感覚を皆様に提供したいとの思いから当店を立ち上げるに至った訳ですが、私自身、「商売として儲ける」「売り上げを伸ばす」ということと、「いかに身近な価格でお客様に提供するか」の間でいつも頭を抱えていたように思います。
なぜなら素敵な雑貨を市場価格より身近な価格で提供する事が最初のモットーだったからです。
途中、異常なユーロ高に見舞われたりもしました。
買い付けた商品に値段をつける作業は本当に苦労しました。
商品の買付けにおいてはクオリティとデザインを「見て、触って」こだわりの強い日本の女性のどんな方にも納得していただけるモノを厳選してきた自負もあります。
この仕事を始めてからイタリアに行く事は楽しさよりも商品探しのプレッシャーの方が大きかったように思いますがお客様に喜んでいただくと嬉しかったです。
今、このような世の中でなにか人の役に立てることをしたいと思い、何の資格も技術もない私は今ある商品の売上金を素晴らしい活動をしている団体メドゥサン・ドゥ・ジャパン(世界の医療団)に寄付することにしました。
国境無き医師団が緊急医療支援に重点を置いている組織であるのに対し、世界の医療団は世界的に見放された地域の医療・医療教育・自立支援、ストリートチルドレンに対する支援などをしています。
ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
(サイト内の「証言」コーナーの「見捨てられた危機」という記事は特に読んで頂きたい箇所です。)
本日はここまで。