bell'amiche

体調や様々な苦しみを抱えていたある時期、

私の身体の中は重い真っ黒い鉛を抱えているようで

ほとんど自由が利かず、心ではこれじゃいけない、と

もがいてもがいて、今にも壊れそうなことがあった。

何種類もの薬を飲む私にマリエッラは

いちいち「これは何の薬なの?これは?これは?」

と聞いてくる。

ネガティブな面を出来るだけ見せたくなかったけれど

マリエッラはギモンに思ったら最後、

納得のいく説明を聞くまで

ヒルのように執拗に食い下がるのだ。

私の体の状態から何が不足していて

これらの薬が必要だという事を伝えた。

彼女も元気そうにしているが、

実は進行性の病気の持ち主。 

心配はかけたくなかったのだけど・・・

ふたりして、泣きながら心の不安を打ち明けあった。

最後にマリエッラは

「これで私たち本当の友達になったわね。

親友同士でしかこんな話はしないものね。」

世の中、「重い」とか「暗い」って言われることを恐れて

言いたいことも言えなくなっていますね。

真剣な話、相談事を包む張り詰めた空気に

耐え切れないからかもしれないし、

他人の事をそこまで背負い込みたくないのかも。

重い話をして友達や恋人に嫌われたくないという

思いから打ち明けにくくもなっている。

日本人の賢さゆえ、直感的に

出口の無い話をするのは意味が無いと思うのかしら?


フィレンツェに住む友人マリエッラはパソコン環境に無い。

だからワタシも面識のある彼女の友人キアラを経由して

メールを伝えてもらっている。

マリエッラは常々言う。

「メールではプライベートなことは書かなくていいからね。

深い話は他の人に知られなくても良いの。私とだけよ。」

イタリア人の好きなところは

とことん、なんでも話し込むところ。

ジョーダンも言うけど真剣な話も突き詰める。

彼女とプライベートを共用したことで

心が軽くなった私は心強さも同時に得て。

今は体調も回復してきて、

あの絶望からは解放されましたが

マリエッラ、あの時そばに居てくれて

ありがとう。