取引先との交渉中、落ち着きを失う友人Sさん。
こちらまでその緊張が伝わってくる。
しかし、こちらは大事な仕事。申し訳ないながら彼女に合わせて
途中で投げ出すわけにはいかない。
交渉を終え、帰りの車中、なぜ、一日中不安な状態なのか聞いてみた。
だって彼女、付き合い始めたばかりなのに全然幸せそうじゃない。
どうやら、彼氏からの束縛がハンパじゃないこと、さらに
口が達者で人の意見に耳を貸さないイタリア人の性格に参っているらしい。
■常に、何をしているかメールで知らせなければならない。
(外出の際、どんな交通機関を使ったとかそんなことも)
■夕方5時以降に駅の周辺に行ってはいけない。
(日中でも駅の周辺に近寄ることも怒られる。必要以上の警戒心)
■店員であっても男性としゃべるなんてことはもっての他。
(仮に喋ったら、何を話したのか、好意を抱いたのかしつこく質問攻め)
■友人とのお出かけ時は浮気を疑われる。
など、次から次へと不平不満の出てくること山の如し。
自由の国・日本の自立した女性としては
子供じゃないんだからほっといてよ!!と。
しつこい質問攻めはマリエッラから毎度被害にあって認識済み。
私はキレますけれど。最初はソフトに、最後はハードに。
実際、いざこざとか嫌いなタチです。でもそうしないと終わらないんです。
なのであえての「キレ」
火を以って火を制す。
大声出すとストレス解消になって良かったりもしますし。
イタリア人同士、家族・恋人・夫婦も同じようにしてるのでは?
(ミラノの超高級マンションでも隣の家族の怒鳴り声が響いておりました。)
しかし、その上に束縛まで加わるとは!
そいつは面倒クサイ男に引っかかったもんだねえ・・・と同情。
そうこうするうちに予想時間より早くヴェローナに到着。
すると例のカレ、<アルベルト>が迎えに来ておりました。しかも超ダンディ!!
修羅場が展開されると思いきや、上機嫌で鼻歌など歌いながら家路へ・・・?
まあ、お客の前じゃあケンカもできないか・・・
ニコニコと客人(私)を迎える笑顔に多少不気味さを感じたものの
どんなに滅茶苦茶なイタリア人かと思っていたら立ち居振る舞いも
しなやかだし、俳優のような美しさ。
外見は素敵なのにねえ・・・・どうしてかねえ・・・・。
何事も無くおもてなしを受けて翌朝、私のお行儀の良さが
カレに認定されたらしく、また早く遊びにくるように!!とのこと。
全てのイタリア人がそうとは言い切れないが、
GELOSIA(ヤキモチ)
というのはイタリア人と切っても切れないキーワードの一つ。
会話の中でも良く使われます。
「自分はGeloso(ヤキモチ妬き)だよ」なんて平気で言います。
ジェラシーは愛情と表裏一体を為す感情・・・・
結構アルベルトの感覚(束縛含め)、イタリア標準だったりするかも!?
そんなことを考えながらマリエッラの待つフィレンツェへ・・・・。
(次号へ続く・・)