海辺の街っぽく

この街には長い海岸線を往復する

電車バスが通っている。

 

観光客向けの電車型バスだ。

子供が喜ぶものでしょ?って思うでしょ。

 

 

それを私達は大人、子供含めて

きっと生まれて初めて

こんなに大爆笑しながら楽しんだラブ






 

 

 

ここで仕切り始めたのは

B氏のお姉さんの娘さん。

彼女はフランスの大学を出てフランスで就職し

夏の間はママの所に帰ってきてバカンスを楽しんでいる。

 

甘えん坊さんで、この歳になっても

太っちょのママにベッタリくっ付いて

ママに頭を撫でてもらっているポーン

 

 

私は母親とこういう関係に

一度もなった事がないので

すごいなぁと思う。

 

 

私と自分の息子が今こんな感じだけどね。

でも就職してからも頭をナデナデする関係でいるのか??

娘は性格がサバサバ、私になんか近づいて来ない。

娘と息子でも母親との関係は180度違うよね〜。

 

 

 

さて、このフランス在住の娘Mちゃんが

それはそれは面白い。

 

甘えん坊と言ったけれど

10歳の子供が、そのまんま大人になってしまったような

そんな感じで素直に成長し、子供の心を持ったオトナなのだ。

 

 

彼女がみんなに、あの電車バスに乗りに行こうよ!と言うと

みんなノリ気で22人中爆  笑15人くらいで出かけた。
(既に私達だけで貸し切り状態間違いなしウインク

 

 

夜になると、この電車バスは

賑やかな音楽を鳴らしながら

海岸線を走り回っている。

 

 

みんな滞在中に子供がいる家族は

一度は乗りに来るだろう。

 

 

そこには盛り上げ役のピエロが乗っていて

ガンガンにかかる音楽と共に踊っては

乗客を笑わせている。

 

 

私たちはワクワクしながら乗車用停留所で

みんなで乗り込むのを待っていた。

 

 

そこには停留所のポールが立っていて

Mちゃん率いる私達御一行は

そのポールにしがみつきながら

電車バスが街を一周して帰って来るのを待っていた。

 

 

 

とうとう電車バスがガンガンに音楽を鳴らしながら

停留所に近づいて来ると、私達はソワソワし始め

Mちゃんは乗る態勢で構えて待っていた。

 

 

 

すると電車バスは停留所のポール部分ではなく

なんと3m後ろに停車したのだポーン

 

 

私達御一行だけでも3mの列だったので、

ちょうど私達の後ろに列をなしていた人達に向けて

ピタリと停まった電車バスには

自動的に私達御一行をまんま残して

その後ろの列組がワーッと乗り込んでしまったびっくりびっくりびっくり

 

 

うそや〜ん笑い泣き

 

 

ありえない。

 

 

日本やイタリアではあり得ない事が

ここモロッコでは起こり得る真顔

 

 

ここモロッコでは一般的な常識は通用しない。

 

この国民は行列は作れても

入る瞬間に人々は豹変し

我先に!と腕で人を掻き分けながら

力づくで突き進むのだ!

 

そして入っちゃったもん勝ちがまかり通る。

ボーッと突っ立っていた君が悪い、って事になるニヒヒ

 

 

 

ってな訳で、もうみんな

電車バスにちゃっかり座り込んでいるので

 

乗客を仕切るピエロは

「あと一周、待っていてよぉ〜!」

とピエロ顔でごまかして

 

抗議するMちゃんに向かってウィンクして

パーッと出発してしまった。

 

 

私達御一行は、唖然として待つハメになった笑い泣き

 

 

そしてフラストレーションを溜め込んだ私達は

次に電車バスがきちんと停留所のポール部分に停まったら

ワーッと乗り込んで、私達だけで貸し切りにし

電車バスはピエロの合図で発車した!!

 

 

そしてMちゃんはガンガンにかかる音楽に合わせて

応援団長のように後ろの私達の方を向いて立ち上がり

電車バスの屋根を片手で叩きながら

私達全員に拍手をしながら盛り上がるよう叫び始めた拍手拍手拍手

 

 

それにはピエロもビックリポーン

ピエロがヘラヘラ踊るのを尻目に

私達は応援団長の指示に従って

音楽に合わせて手拍子しながらハチャメチャに盛り上がった。

 

 

夜の海岸線の商店街を散歩する人々が

何事だ!?と振り返るほどの喧騒だった。

 

 

Mちゃんが電車バスで立ち上がり

ピョンピョン跳ねながらバスの屋根を叩くので

電車バスはギシギシと揺れるものだから

ピエロに、ちょちょちょちょっと、アナタ、お静かに!

となだめられる程にMちゃんは盛り上がっていた。

 

 

何なんだ!彼女の湧き上がるエネルギーは!?

 

 

私達は大爆笑しながらMちゃんの扇動に従い

大人も子供に返ってゲラゲラと笑いながら

電車バスが停留所にいつまでも着かなければ良いと

このみんなでいる空間を最後の1秒まで楽しもうと一丸となっていたハート

 

 

それはもう、Mちゃんがかけたマジックな空間だった流れ星キラキラ

彼女の童心は、そのバスに乗っていた全員を

子供にかえらせたのだルンルンもちろん彼女の母親の事も。

 

 

 

私は久しぶりにこんな感覚を味わった。

このパワフルな人間一人の扇動で

その場にいた15人がスパークして

ここまで楽しめるものなんだ!!と感心した。

 

 

モロッコ人は、こうして

楽しめる時には、自らを奮い立たせて楽しむ傾向がある。

 

もともと娯楽が少ない国だから

楽しめる所で発散するのだ。

 

例えば結婚式では会場はディスコと化し

朝まで公認で踊りまくって良い場所となる。

 

 

海で滑り台付きの有料ボートがあったら

Mちゃんは真っ先にお金を払ってみんなを乗せて楽しむ。

 

海辺の街ではビリヤード場に繰り出して

若者を引き連れて楽しむ。

 

そして電車バスも然り。

これ以上あり得ないくらい私達は楽しんだ。

 

 

 

彼女は日本で男の子に産まれていたら

絶対に応援団長と生徒会長をやっていただろう爆  笑

 

いや、女の子のままでもこなしていたかもしれない。

 

それくらいパワフルで

みんなを巻き込み楽しませてしまう

勢いある人がこの世にいるんだなぁと

童心にかえりながら、あの喧騒の余韻に浸った夜ラブ