B氏宅での滞在はまだ続く。

 

もう帰ります、って言ったのだけど

これから海にバカンスに行くから一緒に行こうよ、

それまでずっと泊まっていなさい!

 

 

私は、夫の実家には義姉がいるから行きたくないし

お言葉に甘えて居させてもらった。

 

ここにいれば子供達は

遊んでくれる人がいるから静かにしているし。

 

私はお料理を手伝って

あとは誰にも邪魔されず

階下のプライベートな客間で自由にしていられた。

 

 

 

どうやら牛一頭屠ったお姉さん家族と

海に一緒に行くらしく

私達は一度家に帰って、海用の荷物を作って戻ってきた。

 

 

翌朝、B氏の大きな車に

ギュウギュウ詰めに荷物を積み込んで

海へと出発!

 

 

お年頃の娘さん達は

まるで3ヶ月旅行に行くかのように

着替えを山のように積み込んだので

B氏は荷物が積みきれなくて怒っていて笑えた。

 

 

B氏のお気に入りのMartilの街へとGO!

 

 

B氏のお姉さん宅からも車2台で出発していた。

お姉さんの娘さんと、なんとあのベルギーからの友人も来ていた。

 

 

お昼過ぎには海に着いて

そこからアパート探し。

 

 

私の家族とB氏は一度この街の

素敵なアパートに滞在しているので

大体見当はついていたけれど

 

前回の部屋は残念ながら先約がいた模様。

その下の階なら空いているとの事。





 

 

B氏は私達とB氏だけの為に

そのアパートをゲットして

B氏のお姉さん家族は

違うアパートを探しに行くのだと思っていた。

 

 

それが、みんなこのアパートに入ってきて

中を見て、気に入って

みんな動こうとしない。

 

 

B氏の奥さんに、どうなっているの?と聞くと

「どうやらみんなでここに滞在するらしい.....真顔

 

と言うではないか!

 

 

え?ここって私達8人用だよね?

彼らと合わせたら何人になるの?

 

 

なんと、車2台+その後

お姉さんの他の息子夫婦も遅れて到着して

彼らは総勢14人いた。

 

 

嘘でしょガーンアセアセ

 

なんと、私達はここに22人で泊まるらしい。

 

 

う、嘘と言って!

 

 

なんでこんな事になっているの?

 

 

お姉さんは自分とベルギーの友人が全員の食費を持つから

家賃は私とB氏で持てという事らしかった。

 

 

つまりお姉さんはアパート一軒分の家賃をケチったのだ。

 

 

嘘やーん!

金持ちほどケチって本当だね!

 

 

ちょっと私だけホテルに逃げたかったけれど

この街は、ホテルは無く、殆どが貸しアパートなのだった。

 

 

モロッコではこうして

たまにとんでもない事が起こる。

 

 

でもあまり反抗しない方が良い。

一度受け入れる事を学ぶのだ。

 

 

私はただ車に乗ってきた人間だ。

犠牲祭中だって、本当にお世話になった。

こんな私を受け入れてくれるのは、この家族だけだろう。

 

 

 

こんなに大人数の中

このお姉さんがどうやって仕切るのか見ものではないか!

彼女のギョロ目と目を合わせるのが怖いので

私はなるべく遠くにいて傍観者となった。

 

 

B氏は呆れて物も言えない状態だったけれど

モロッコ人はあまり争いを好まない。

彼は黙ってお隣のカフェへ消えて行った。

 

 

私は今夜どうやって寝るのか

想像しただけで身震いをしながら

あまり先の事は考えないようにして海に散歩に行った。