人工膝関節は単なる、人間の膝の軟骨を表面が滑らかな金属で置き換え、その下の軟骨を支える骨の部分にあたる金属が膝の屈伸時に、屈曲、前後滑り、回旋を制御するようにできています。
しかし、膝関節の機能は、痛みなく膝を曲げ、体を支えることですが、体を支えるのは靭帯、筋肉です。

膝の周りにはたくさんの靭帯、筋肉がありますが、人工膝関節手術ではある程度これらを切って手術しなければなりません。手術後にはこれら靭帯筋肉が緩むという欠点もあります。
患者側は人工膝関節手術をしたら完全に膝が正常に戻ると思っているかもしれませんが、現実は傷んだ膝関節の痛みを取り、膝が痛くなく曲がるようにする手術で、走ったり階段が上れるほどまでの機能を戻すものではありません。
人工膝関節はプラスチックの板の上に丸い金属の大腿骨が載った不安定な構造で、膝伸展時は安定ですが屈曲時は不安定になります。
アメリカ人の生活は平地を歩ければよいので、ほぼ伸展時に安定して動くように作られています。ACLがないと脛骨は前に滑るのですが、それは伸展時はスタビライザーで抑えるようになっています。

脛骨の真ん中の棒が大腿骨にあたって滑りを抑えます。
なぜ屈曲時もスタビライザーで滑りを抑えないのでしょう。屈曲時は膝が不安定で簡単に滑りを抑えられない。滑りを抑えると膝が曲がりにくくなる。屈曲時は大きな力がかかって、スタビライザーでは抑えられない。簡単ではなく、アメリカ人には要らない。
それでは床で生活する、歓談を上らないといけない日本人にはどうしたらよいのでしょう。筋肉を切らず、伸ばさず、靭帯も剥離せず、筋肉と靭帯の力で脛骨の滑りを抑え、膝を安定にするのです。

膝は良く曲がり、屈曲位でも力が出るようになります。