今年も残り一ヶ月を切りました。

いよいよ令和5年も終わり、令和6年が近づいてきています。

 

今年も残す所あと僅かという時期にはなってきていますが、毎年この頃になっても「厄年祓」の参拝者がいます。

 

厄年というのは満年齢ではなく、数え年で考えるものなので、12月の厄年祓というのは、残り一ヶ月足らずのための祈願ということになります。

それでも気になる人は気になるものですから、祓いを受けること自体は否定をしません。

しかし、時折思い違いをされている方もいるので、改めて記しておきます。

 

厄年というのは、男性の場合は数え年42歳、女性の場合は数え年33歳を大厄とか本厄とします。

そしてその前後の年を、それぞれ前厄、後厄と呼んで、この3年間は特に災厄が起こりやすいと言われています。

 

また男性の数え25歳と数え61歳、女性の数え19歳と37歳も厄年と言われ、同様に災厄が起こりやすいとされています。

地域によってはこれらの厄年の前後1年も前厄、後厄とする風習のあるようです。

私の個人的見解ですが、この前厄後厄の風習は比較的関東で良く目にし、関西ではあまりありませんでしたが、近年は関西でも広まっているように感じます。

 

また、長寿社会の影響なのか、女性の数え61歳に対しても厄年と呼ぶことが増えているように感じています。

 

 

さて、ここで大切なのが「数え年」という年齢の数え方です。

私達が現在一般的に用いている年齢の数え方は「満年齢」という数え方です。

 

満年齢は、生まれた時は0歳で、誕生日がくると1つ年齢が増えるという歳の数え方。

一方、数え年は、生まれた時を1歳として、お正月がくる度に年齢が1つ増えるという歳の数え方です。

つまり、満年齢に対して数え年では1歳または2歳年齢が嵩むことになり、女性の間では特に嫌な顔をされることの多い、年齢の数え方とも言えます。

 


厄年や七五三詣、算賀(さんが:還暦や古希などのお祝いのこと)などの人生儀礼は満年齢ではなく数え年で行うことになっています。

これは

  • 古くは日本では年齢は数え年で数えて来たこと
  • 人生儀礼は古くから行われている風習であること

の2点を考え合わせれば至極当然のことと言えましょう。

 

 

さて、話を厄年祓に戻しますが、12月の厄年祓というのは、上記の意味から年末までのお祓いということになります。

 

近年は新型感染症の影響などにより「分散参拝」とか「幸先詣り」などと言って、初詣を前倒しにすることが一部で行われています。

(幸先詣りというのは元々九州などにはあった風習とも聞きますが)

その考え方から、中には「明年が厄年だから少し早く厄祓をしておこう」という方もいるのかも知れません。

それを受け入れて祓いを行っている神社も中にはあるのかもしれませんが、伊太祁曽神社では明年の厄年祓は、年が明けてから受けられるようにお話をしています。