加賀国の一の宮「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」です。
白山(はくさん)を霊峰として信仰する、全国の白山神社の総本宮でもあります。
金沢駅から北陸鉄道石川線の鶴来駅(つるぎえき)が最寄駅です。
かつては下地図に記載があるように、神社近くに「加賀一の宮」という駅がありましたが、
平成21年11月に鶴来~加賀一の宮(2.1km)が廃止となりました。
歩くと30分近くかかる距離なので廃止になると参拝者には不便に思いますが、
バス便もあったりするので、そこまで不便ではないのでしょう。
かつて「加賀一の宮」駅があったころは神社の西側から境内地に入って来たのでしょうが、
現在は東側の県道103号線から入ってくるのが主流だと思われます。
この写真の鳥居は「一の鳥居」ではありません。
写真に写っている手前に右手に降りてゆく階段があり、
それを降りると、かつての「加賀一の宮」駅へ続く道になっています。
一の鳥居は駅から来る道の途中にあるようです。
鳥居の右手に社号標がありました。
正面向き(鳥居と同じ向き)ではなく、鳥居の方を向いています。
これも一の鳥居ではないことと関係があるのでしょうか?
こちらが拝殿です。
お祀りされている神様は
- 菊理媛尊(くくりひめのみこと)
- 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
- 伊弉冉尊(いざなみのみこと)
の三柱。白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)ともお呼びするようです。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)については、
説明しなくともご存じの方も多いと思いますので説明を省略します。
菊理媛尊(くくりひめのみこと)は、伊弉諾尊が妻である伊弉冉尊が亡くなったことを悲しみ、
黄泉の国(死者の住む国)に行く話の中で登場する神様です。
『古事記』には登場せず『日本書紀』の中の一書(あるふみ:異伝のこと)に伝わります。
伊弉諾尊と伊弉冉尊の仲裁をしたのが菊理媛尊であると記されています。
この神話に基づき、
また菊理媛尊の「くくり」とは「括る」の意として
「和合の神」「縁結びの神」とされています。
なぜ菊理媛尊が白山比咩神と同一になったのかはよく解らないようですが、
平安時代中期にはその様に記されている書物があるそうです。