当社では、他工場からの故障診断も受け入れており、年間、100台を超す有償の故障診断を行ってきていましたが、平成25年くらいから年々減ってきており、特に一昨年くらいからは急激に減ってきています。
もちろん、今年も一昨年以上に減ってきているのです。
ファイネスの加入やスキャンツールの普及がその理由ではないかと思われます。
ま、私の仕事が減ってとてもいいことなのですが(笑)、ブログにアップする事例をさがすのに苦労しています。
そういった中で、実は今月は1台も入庫がありませんでした。(排ガスが下がらないや、○○ランプが点灯しないなどの軽微な入庫はあります。)
それが、先日、エンジン始動不能の平成14年テリオス(J102G、K39)が、知人から電話相談を受けました。
車検で入庫し、ボデーの腐食の板金修理を行ったそうですが、その後、始動不能となったものです。
基本点検で、火花も飛ばずに燃料ポンプも動かないということで、燃料ポンプやECUも交換しています。
(車検整備でプラグ交換なども実施済みです。)
キーONでエンジン警告灯が点灯するかを聞くと、点灯しないといいます。
そこで、ECUの電源、アースを点検するように説明しました。
数日後、「もう、かなり預かっているし、原因がわからないので調べてほしい。」との電話がありました。
かなり離れた工場(1時間ほどかかる)からの依頼であり、電話での解決をと思っていたのですが、久々のトラブルシュートでもあり、調べることにしました。
翌日、車を持ってきたので、症状を確認するためにキーをONにすると、確かにエンジン警告灯は点灯しません。
他のランプはと見ると、チャージランプが薄く点灯しています。
アース不良が考えられるのでエンジンルーム内を点検です。
ECUのアースはインマニかシリンダヘッドでとっていることが多いので調べると、インマニは樹脂なのでアースはできません。
そこで、シリンダヘッドを見ると、シリンダヘッド後方に宙に浮いた配線が見えました。
その先端はボルトを通す穴が開いています。
その線をアースすると、エンジン警告灯は点灯し、エンジンは始動しました。
もしかしたら、板金時、邪魔になったために外したのか、それとも緩んでいたボルトが欠落したのかはわかりませんが、結局、ECUのアースボルトの付け忘れでした。
(緩んでいたのであれば、こうなる前にエンスト等が発生していたと思われますので・・・・・・)
診断に3分では、さすがにお金はもらえませんでした。(^-^;
よって、今月は私が入社して以来、有償による他工場からの故障診断件数は0になりそうです。