入口側エバポレータ温度センサ① | 自動車整備士駆け込み寺 喝っ!

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久々の新機構。。

といっても、20年近く前からある制御のようだ。(^_^;)

マグネットクラッチがONしないという平成13式ワゴンR(MC22S、K6A)


数か月前の事例。
 
一般的にマグネットクラッチをONさせる条件は次の通りである。
 
1.ブロアスイッチON
2.エアコンスイッチON
3.一定回転以上のエンジン回転
4.規定内のエアコンガス圧
5.基準以上のエバポレータ温度
 
もちろん、これが全てではなく一般的なものであり、中には水温などでも制御している車もある。
 
調べるとこの車の場合は前述の5つに水温を足した6つだが、5の「基準以上のエバポレータ温度」がIN(入口)とOUT(出口)の2種類があった。(マニュアルエアコンのみ)
 
 
イメージ 1
 
通常はエバポレータ後の温度をサーミスタで検出しているが、この車はエバポレータの前後にセンサーがあるのである。
 
各信号を調べるとおかしなことに気が付いた。
 
エバポレータの入口と出口にサーミスタがあるのだが、単体点検をすると抵抗値が違うのである。
 
 
もちろん、温度が違えば抵抗値も違うのだが、単体点検のため外した状態で点検しているのである。
 
よって、ほぼ同じ温度なのに入口側は3.6kΩ、出口側は4.3kΩと700Ωほどの違いがあった。
 
基準値を調べると入口、出口側と共にほぼ同じ特性の物を使っていた。

入口側・・・0℃の時、6.3~7.0kΩ、25℃の時、1.8~2.2kΩ
出口側・・・0℃の時、6.65kΩ、25℃の時、2.0kΩ
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
抵抗値が大きいという事は、実際の温度より低いという判断になるので、エバの凍結防止のためマグネットクラッチをOFFさせてしまう。
 
サーミスタを取り付け、ドライヤーでサーミスタを温めるとマグネットクラッチはONした。
 
出口側のサーミスタの特性ズレである。
 
交換すると良くなった。
 
 
と、たいしたトラブルではなかったのだが、「何故、エバポレータの入口側の温度の検出が必要なの?」という疑問がわいた。
 
つづく