先日、昭和初期に名門「大宗」こと植山宗一郎さんの手により組上げられた地車を拝見させていただきました。
泉北は上神谷地区に属します栂(とが)地車。
ファンならおなじみの地車で、元・岸和田は八木地区の中井町にて新調し平成23年まで活躍されておりました。
ファンならおなじみの地車で、元・岸和田は八木地区の中井町にて新調し平成23年まで活躍されておりました。
昭和初期と申しますと・・・
岸和田の老舗「大宗」では、昭和四年の上町地車を世に出して以降、同五年の中尾生町(荒木町先代)地車、同六年の大鳥(先代)地車に南中安松地車、さらに同七年には土生瀧町・上之郷下村・菱木奥(板原町先代)・豊中町と、次々に“植山型地車”を作事され、翌八年には、熊取大宮区・長滝西ノ番の大型2台が登場。
その翌年の昭和九年に熊取町久保区と、この栂地車(中井町先代)が生まれます。
岸和田の老舗「大宗」では、昭和四年の上町地車を世に出して以降、同五年の中尾生町(荒木町先代)地車、同六年の大鳥(先代)地車に南中安松地車、さらに同七年には土生瀧町・上之郷下村・菱木奥(板原町先代)・豊中町と、次々に“植山型地車”を作事され、翌八年には、熊取大宮区・長滝西ノ番の大型2台が登場。
その翌年の昭和九年に熊取町久保区と、この栂地車(中井町先代)が生まれます。
まさに、当時の大宗さんの作業場は大賑わいだったことが想像されます。
そんな当時のことを思いながら、網ナシという好条件のもと、貸切状態で拝見させていただくことができたことを、この場を借りまして栂町会のYさんに感謝いたします。
では、早速ご覧頂きましょう。
どうぞ。。。
どうぞ。。。
▲まずは前後の姿見から。
飽きの来ない格好のええ姿見です。
製作は植山宗一郎さん、その後の修理は「大義」こと、後の植山工務店さん☆
▲続いて平方向から。
昭和初期の同時期に作事された地車の標準タイプです。
▲まずは主屋根周りを見てみましょう。。
▲主屋根の組物は四手先八段。
隅出すや横槌など同一グループの仲間で共通寸法の部材が確認できます。
▲続いて桝合です。
まずは正面、おなじみの“天之巌戸”です。
▲続いて右の平「素盞鳴尊大蛇退治」。
▲反対側には「後醍醐天皇隠岐より帰る」の場面。
この三方は昭和七年作事の板原町先代と全て同じ場面が採用されています。
▲ふだんなかなか拝見することのできない主屋根後面も見せていただきました。
一枚ものですが、趣のある「陣幕に武者」が彫られていました。
▲屋根周りについて特筆すべき箇所がここ。
年季の入った桁。おそらく新調当時のものかと。。
▲木鼻もええ顔してます。。
▲地車の後方へ周りまして。。。
▲後屋根桝合いを見てみましょう。
まずは正面、おなじみ“本能寺”です。
車板の“双鶴”も趣あります。
▲お次は、後方より向かって右「義経の八艘飛び」。
▲その反対側は「村上義光 錦の御旗奪還す」。
▲お待たせしました。
腰周りです。。
▲まずは正面。
こちらもおなじみ「秀吉本陣、佐久間の乱入」です。
雑兵の表情もたまりませんね~☆
▲続いて右の平。
▲こちらは「福島市松拝郷五左衛門討取り」とあります。
関東彫の浅野師は他にも作事されていたのか興味があります。。。
▲そして左の平。
▲同じく関東彫の浅野師の作とされる「加藤清正と新納武蔵守の一騎討ち」。
淡路彫では開さんや舜さんが作事されているおなじみの場面ですね。
それにしても迫力がありますね。。
▲続きまして見送りへ。
▲後方より向かって右の平から。
▲同じく左の平。
よう彫られてますよ~!
▲見送り内の様子です。
▲左右の脇障子です。
網ナシだからこそ撮れるカットです♪
▲岸和田市上町 作人 植山宗一郎 とあります。
いくつかの本には昭和九年作とありますが、ここには昭和八年と書かれています。
▲竹の節・隅出す・物見など、唐獅子がいっぱいです。
▲見送り下の連子には、唐子が遊ぶシーン。
こういう彫物は、見ていてほっとしますね。。。
◆栂地車紹介◆ ●購入:平成23年に岸和田市中井町より購入 ●製作:昭和9年に岸和田市中井町が新調 大工:【大宗】植山宗一郎 彫師:【関東彫】浅野(某)師、【淡路彫】木下舜次郎 師(助) ●主な彫刻 ・主屋根枡合:正面「天之巌戸開き」 平右「素盞鳴尊大蛇退治」 平左「後醍醐天皇隠岐より帰る」 後面「陣幕に武者」 ・後屋根枡合:正面「本能寺の変」 後方より向って右平「義経の八艘飛び」 後方より向って左平「村上義光 錦の御旗奪還す」 平左。 ・大連子:【大江山】 正面「酒盛りの場」 平右「頼光の木渡り」 平左「大江山の決戦」 ・小連子:【忠臣蔵】 正面「両国橋の引揚げ 服部彦七の温情」 平右「内蔵助の勇姿」 平左「清水一学の奮戦」 ・土呂幕:正面「秀吉本陣、佐久間の乱入」 平右「福島市松拝郷五左衛門討取り」 平左「加藤清正と新納武蔵守の一騎討ち」 ・見送り:「大坂夏の陣」
栂のYさん、その節はお忙しい中誠にありがとうございました。
見ていて飽きの来ない、ええだんじり堪能させていただきました。
見ていて飽きの来ない、ええだんじり堪能させていただきました。
これからも末永くご活躍されますこと、お祈り申し上げます。
オフシーズンながら、こうして見学させていただく機会を与えて頂いたことに
ほんまに感謝、感謝です。
ほんまに感謝、感謝です。
ありがとうございました。
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