絹屋型！西之内町地車

先日の日曜日。。

いつも当館を訪問してくださってるという西之内町のＭさんから情報をいただき、見学させていただきました♪

西之内町の地車といえば、名門・絹屋さんが組んだだんじりで、“絹屋型”という呼び名で親しまれている姿見の大変美しいだんじりです。
しかも、彫刻は我らが舜さんの躍動感ある秀作とあって、へんばりついて拝見させていただきました（笑）。

では･･･
早速ご覧頂きましょう～！

▲まずは前後の姿見です。
　均整の取れたシルエットにしばし見とれてました。。。

▲お次は平方向から。
　

▲ナナメからも！！
　軒唐破風のだんじりは、特にこの角度がいいですね。

▲「絹屋型」の代名詞とも言える“軒唐破風”細工。よろしいなぁ～。。。
　他にも、正面の「小屋虹梁」と「車板」とが一体化されてるのも、絹屋型の地車に見られる細工。

▲主屋根枡合いです。
　正面「天の巌戸開き」
　平右「神武天皇東征」
　平左「日本武尊　野火の難」
　背面「陣幕に雑兵（？）」

▲正面の「天の巌戸開き」がよう彫られてたんですよね～。。
　ひきつけられる魅力があります･･･。
　思わずアップしてみました♪

▲「隅出す」には、親子の獅子。。

▲さていよいよ土呂幕のご紹介です。
　まずは正面！！えらい迫力でしたよ～！
　「福島正則の勇戦」でしょうか？
　前板が犬勾欄に接触するほど前に迫り出していて、迫力と奥行きを感じました。
　金網が付いていて少し見づらいですが、限界まで接写してみました。

▲この迫力（気合っ！）

▲続いて右の平、「加藤清正と新納武蔵守一騎打」。
　新納武蔵守の表情が最高ですね♪
　まるで時代劇の役者を見ているようです。
　･･･さすが舜さん！！

▲そして左の平は、おなじみ「秀吉本陣佐久間の乱入」です。
　こちらも表情豊かで、躍動感もあり、素晴らしい～！！

▲縁葛飾、連子、こちらにも秀作がたくさんあったのですが･･･全部載せれないのが残念。。

▲左の大連子「酒呑童子退治」より。
　えぇなぁ～。。

▲主屋根周りを正面下から見上げてみましょう。
　柱芯から真っすぐに尾垂木が並びます。
　同様に二手先、四手先の列にも尾垂木が並ぶという、いわゆる「縦割付」の美しい細工です。
　小屋虹梁と車板とが一体化された絹屋さんお得意の技は、ご覧のように非常に奥が深いです。
　枡合いも「付け木」により、さらにボリューム感と奥行きを演出してるんですね～。。。

▲主屋根後方。
　こちらはシンプルな小屋虹梁と車板とが別々に組み込まれてました。
　軒唐破風に一枚懸魚･･･シブイ♪

▲木鼻もいい感じ♪

▲西之内地車の意匠あれこれ。。
　幟台の獅嚙は、ゴッツイ迫力でした（驚）。。

▲後屋根枡合い三方です。　※左右は後方より向かって
　　正面「源平・布引ノ滝四段目（小櫻責め）」
　　平右「石川五右衛門、千鳥の香炉盗り」
　　平左「安宅の関、弁慶義経懲打」　
　　　　　　　　　

▲正面の「小櫻責め」より。

▲竹の節は、阿吽の獅子が逆立ちしてました。
　兜桁は、ナナメの傾斜（ライン）が奥までキープされた手間の掛かる細工。

▲見送りは、お馴染み「夏の陣」。

▲この馬乗りがよかったんですよね～♪

▲後屋根の車板＋小屋虹梁の一体型のところには「スサノオの命」がありました。
　これがまたよう彫られてまして･･･スゴイなぁ。

▲見送り下の半松良にも雑兵が！
　今でこそ、この部分にも立派な彫物が入りますが、この昭和初期での細工は素晴らしいですね。



◆西之内町地車紹介◆

　　●製作：昭和１１年
　　　大工：【絹屋】絹井楠次郎
　　　彫師：木下舜次郎、（助）松田正幸

　　●主な彫刻
　　　主屋根枡合：正面「天の巌戸開き」
　　　　　　　　　平右「神武天皇東征」
　　　　　　　　　平左「日本武尊　野火の難」
　　　　　　　　　背面「陣幕に雑兵（？）」
　　
　　　後屋根枡合：正面「源平・布引ノ滝四段目（小櫻責め）」
　　　　　　　　　平右「石川五右衛門、千鳥の香炉盗り」
　　　　　　　　　平左「安宅の関、弁慶義経懲打」　
　　　　　　　　　（左右は後方より向かって）

　　　縁　葛：【富士の巻狩り】
　　　　　　　　正面「頼朝本陣」
　　　　　　　　平右「仁田四郎忠常　猪退治」
　　　　　　　　平左「富士の巻狩り」

　　　大連子：【大江山】
　　　　　　　　正面「酒宴の場」
　　　　　　　　平右「頼光の木渡り」
　　　　　　　　平左「酒呑童子退治」

　　　小連子：【忠臣蔵】
　　　　　　　　正面「両国橋引揚げ、服部彦七の温情」
　　　　　　　　平右「赤穂義士・吉良邸討入り」
　　　　　　　　平左「清水一学奮戦の場」

　　　土呂幕：【太閤記】
　　　　　　　　正面「福島正則の勇戦（？）」
　　　　　　　　平右「加藤清正と新納武蔵守一騎打」
　　　　　　　　平左「秀吉本陣佐久間の乱入」

　　　見送り：「大坂夏の陣」

西之内のみなさん

この度は、作業中にもかかわらず見学させていただき、ありがとうございました。

舜さんの迫力ある彫刻を目の当たりにしまして、年甲斐もなく興奮してしまいました（汗）。。

また情報をくださいましたＭさん、そして若頭会長のＫさん、大変御世話になりましたことを

この場を借りまして御礼申し上げます。。

絹屋型・舜作･･･
このだんじりが、末永く曳行されますことを、お祈りしております。。