開正藤の銘地車 東灘区御影「西之町」 | 板原村のだんじり会館

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2006年にヤフーブログを開設、これまでの多くの人との出会いに感謝。
「館長いつも見てるよ!」と声をかけてくださる方々が各方面にいて、そういうのがブログを継続して頑張れる源なのです。

どうぞご贔屓に。
ごゆっくりどうぞ。

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3月20日、春分の日。
雨・・・というか嵐のような強風と横殴りの雨。。
そんな日でもだんじりを見るためなら関係なし!。。
ブログ仲間の国松君さんの運転する車に乗せてもらい、泉州を離れてスゴイ地車を拝見してきました。

まずはその第一弾レポ♪。

「開さん狂」の国松君さん。
常々、「神戸に開さんのエェ地車があるねん・・」と聞いていました。
百聞は一見にしかず!
・・・と、私も興味のある開さんの彫刻、二つ返事で連れてっていただくことになりました♪。。

神戸市東灘区御影西之町。
この日、阪神電車御影駅北側にできた「クラッセ御影」のオープンイベントに伴い、御影の各地車が、集結するというものでありました。
しかし横殴りの雨・雨・雨・・・。「こりゃ、あきませんでぇ~」と車中ではあきらめムードが・・・。
が!しかし!!小屋前に到着すると!なんとシャッターが開いていました!

その様子を長編レポでお送りします。
では、どうぞ~~!

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▲まずは地車前後の姿見。上地車の中でも泉州では見かけないタイプ。「神戸型」ですね。


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▲幕もご覧の通り、豪華絢爛です。
 コマは神戸型独特の「外コマ」形式。
 縁葛受け(?)は、岸和田旧市大北町のそれを思わせるタイプでした。


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▲町会のオッチャンが地車内部に案内してくれました。
 大太鼓は木の断面がそのままでおもしろい形をしてました。
 それから見送り内部(これがまた広い!!)には、大きな半鐘。ビデオなどでご覧になった方も多い
 と思いますが、大人数が屋根に乗るために、柱も黒檀使用で頑丈そうなのが入ってました。


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▲雨で曳行は中止やろなぁ~~~との予想もウラハラに、シート着用で当然のように出発!!
 やっぱり、どこの地区でも「好っきゃなぁ~~~」という言葉の似合うオッチャンがいます。



それでは、ここから彫刻のご案内です。

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▲まずは泥幕。
 厚みこそありませんが、非常によう彫られてました。
 

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▲縁葛に彫られてる「波に濱千鳥」。
 躍動感のある千鳥がたくさん。どうですか~!!この千鳥!!最高でしょ!!!
 岸和田型地車の桁隠しに繋がっていくんでしょうね。。。


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▲この迫力! 
 「大坂浪花木彫史」にも掲載されてた有名な獅嚙です。


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▲でたぁ~~~~!!(このあと、コレの連発です(汗)。。)
 まずは、この懸魚、「国生み」にド肝を抜かれました。。。
 先日アップしました舜さん作の「北蛇草」の後屋根懸魚とも比較してみるとおもしろいです。


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▲イザナギ・イザナミのミコトをアップで。。
 隣懸魚は「啄木鳥(キツツキ)」です。これもいいですね~~♪


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▲背面に回りまして・・・。
 またまた「でたぁ~~~~!!!!」
 これは“龍神に乗る天照大神”。ア然とただ見るだけの私。この緊迫感!なんじゃこりゃ~~!!
 龍神は、泉大津市下之町先代を思わる印象ですね。あの地車の先代懸魚は開師の作品でした。


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▲天照大神をアップで。
 隣懸魚の「梟(ふくろう)」と「鳩」もいいでしょ。。


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▲組み物は、いかにも硬そうな「黒檀」。
 そのひとつに・・・ありました!玉をくわえる獅子!!コロコロと動く細工は岸和田旧市中町でも
 おなじみですね。。それにしても硬そう・・・(汗)。


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▲主屋根正面の「車板」と「枡合い」。
 この名場面・開さんの十八番!!
 ・・・うぉ~~~~~~~~~~~!!!!私は失神寸前。。。(汗)


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▲言わんでもお解かりでしょうけど「天の巌戸開き」でございます。。
 格好良すぎて何もいえません。。。


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▲こりゃもう参った。。。「後醍醐天皇壱岐より帰るを名和長年迎え奉る」。
 ここは岸和田の上町か??と思うほど、あの地車とそっくりで驚きました。


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▲またまた背面にぐるっと回りまして・・・。
 後屋根車板「大江山、源頼光・酒天童子 酒盛りの場」。ほんまによう彫られてます。


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▲その下段。後屋根枡合い正面「新田義貞 稲村ヶ崎役剣の場」。
 シブイんだなぁ~~~これが。そして「開正藤」の銘も。。
 つけ木など一切してないのに、この雰囲気。。。一体何なんやろ~??


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▲主屋根平の枡合いです。右:「平景清錣引き」、左:「小桜合戦布引の滝」。
 これも有名ですね。


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▲後屋根平(後正面より向かって右)。
 “源平盛衰記”より「頼朝、石橋山の合戦 朽木隠れ」。
 しっかり朽木の中に隠れてはります。。(笑)
 

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▲反対側。同じく“源平盛衰記”より「安宅の関 弁慶義経徴打」。


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▲少し見えにくいですが、右の脇障子には“太平記”より「楠公、子別れ櫻井の駅」。
 ここにもってくるとは~~~!!!シブイっす!!


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▲ネット上では初公開ではないでしょうか。 
 これがまたスゴイんです!!!
 後屋根内部に入らせていただき、撮影させていただきました。(町会の方の許可を頂いてます)
 そこにはご覧の銘がありました。
 内側車板(上段)・・・司馬温公の瓶割り
        (下段)・・・飛龍


   ◇◆神戸市東灘区御影西之町地車紹介◆◇
      形式:神戸型。
      製作:昭和3年。
      大工:木長為吉
      彫師:開正藤 生珉

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いかがでしたか~?
私の興奮ぶりはみなさんに伝わりましたでしょうか???
岸和田で上町や中町の地車に惚れて、その魅力に酔ってしまうことも多かったのですが、
この西之町地車を一瞬見たとき、「惚れる」というより「参りました~!」って感じで。。。(汗)
ほんまに素晴らしい地車です。
土呂幕は唐獅子で統一、見送りも幕式になっていて、まさに見どころは今回紹介した箇所になります。
それだけに、開さんも気分が集中して叩けたのかも知れませんね。。

この魅力に迫りたいという方、今度はゴールデンウィークだそうです。

神戸市東灘西之町。。
高速飛ばして見に行く価値はありますよ。。。


この日、長いこと小屋の中でウロウロしながら、しかも何枚も撮りながら、邪魔な我々を文句もいわず楽しませてくださって、町会の方にはほんまに感謝してます。
快く声を掛けていただいたり、説明をしてくださったり、そしてまた地車の屋根裏を見せてくれたりと、ほんまに、作り酒屋のオッチャンをはじめ、皆さんありがとうございました。。
また今度は天気のいい日に来たいと思います!

それから国松君さん、運転ご苦労さまでした。。また誘ってください(笑)。