板垣正寿編 その9 | ラクガキな青春

ラクガキな青春

楽画鬼(ラクガキ)死すとも自由は死せず
この言葉を残して、楽画鬼はまた神秘の旅に出た!愉快痛快スピリットジャーニー。
渾身のアート魂を世界に投げつけてやれ!

 2021年2月2日 美咲町

 

 なぜ予算を使うことばかり考えているのでしょうか?もう散々使ってきたように思います。なぜそんなに使ってきたかというと、人が大勢いたからです。そのために必要なものがたくさんあって、みんながその恩恵を受けて来たわけです。でも今は大勢の人がいません。ということは税収も少ないわけです。当たり前です。じゃあ、今までつくったものをうまく利用すれば今までのようにお金はかからないはずです。


 そんな今まで大枚をはたいてつくってきたものが、人がいなくなってしまって、余っていて、それが朽ちていっているのが現状です。それは空家や空き施設だけではありません。田畑も同じです。そのために整備されてきた道路も同じです。


 その朽ちてゆくものを、「老朽化」→「危険」→「責任問題」と言って、また大枚をはたいて壊します。管理しきれなくなったからです。何とも悪循環です。だからこそ今、持続可能な社会に目を向けなければならなくなったわけです。


 ならば、今あるものをどう有効利用するかということをよく考えることが大事です。そのためにはそれを利用する人が多く必要であり、そのような人たちが新しい価値を生み出すような、それでいて持続可能な取り組みにお金を使うべきです。


 ご挨拶回りでこの近辺の山奥を車で走っていると驚かされます。家5件のために5000万円かけてつくられた道路があったりします。1件につき、1000万円かかったことになります。それを税収でまかなってきたわけです。もちろん、その5件の家が存在しているからには必要な道路です。しかし今、それらがすべて空き家になる可能性が出てきたわけです。さあ、これだけお金をかけてきた道路をどう生かしていきますか?どのようにこれらを無駄にしないように利用することができるでしょうか?方法が無ければ朽ちて行くのを待つばかりです。もうそこに整備するお金をかけても仕方がありません。


 使われなくなってしまった、家、田畑、道路。「君にはどんなアイデアがありますか?」と小学校の授業で考えて見てほしいと思っています。そんな夏休みの宿題が出されたら、親も一緒に考えちゃいますよね。でも駄目です。大人は口出し無用。子供の斬新で画期的なアイデアをすぐ頭ごなしにダメ出ししちゃいますからね。常識では考えられないような答えを引き出すことが目的なのですから。


 今の学校教育ではなかなかそうはならない。まだまだ大学受験を目指している。それが本当に持続可能なことなのでしょうか?小学生くらいの年齢からこの町の課題について大人たちと一緒に考え、この町で今やれることを少しずつ実践してゆくことが必要です。


 それが私の言っている「フリースクール(みんなの学びの場)」です。放課後や休みの日の、みんなが好きなことをやる時間です。なんとも楽しそうじゃないですか。「地域課題解決協議会」? そんな名前だと誰も参加したくないですよね、子どもの心を持つ人なら。やはり、遊び心も必要だと私は思います。

 

 つづく

 

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