社団法人 家庭養護促進協会 年次総会記念講演
同協会の定期刊行物「育てる」No.46、p1~7.
2009年5月28日の総会での講演の要約。
以下は その抜粋:
本文は 買って読んでください。
同協会は 神戸市中央区橘通3-4-1 総合福祉センター2階
年会費 3000円払えば これも買えます。
「もういちど親子になりたい」は2008年3月に出版した本の書名。
1989年に「現代子ども暴力論」という本を出し、その中で核になる概念として「イノセンス」という言葉を使った。イノセンスは「根源的受動性」だと考えた。
イノセンスは「責任がない」ということだ。つまり 自分の命や身体、容貌、名前、親に対して責任がないということだ。
「試し行動」というのは典型的な「イノセンス」の表出であり、家庭養護促進協会では 試し行動を せめて半年は無条件で受け止めてほしいと伝えようとしている。
試し行動を 果てしなく子ども達がぶつけてきて、でも 受け止めていれば いつか終わるんだという考え方だ。ただ 終わるのではなく、表出と受け止めの繰り返しの中で、それ自体が「親子になる」というプロセスを形成している ということが この協会が出してきた出版物から読み取れる。つまり 子どもは 生まれたことに対して責任がないということだ。
「自分では受けとめられないから 受けとめてほしい」ということだ。
「イノセンスの表出」という言葉を「もういちど親子になりたい」と言う本の中では 「受けとめられ欲求の表出」という言葉に代えた。子どもの最初の欲求は「受けとめられ欲求」だと考えると 理解できるのではないか。だとすれば、親の最初の課題は「受けとめられ欲求の表出を受けとめるということ」なのではないか。
受けとめるためには「受けとめ手」が必要だ。その問題を どう考えるかが とても重要なんだと気付くのに この協会の岩崎さんと出会った89年から ほぼ10年近くかかった。
98年に 横浜で児童養護施設の施設長たちと「養育を語る会」を始めた。60回が終わり、今年横浜に二つの児童養護施設が30年ぶりにうまれると いうことで 新たな「養育を語る会」が始まった。
「親子になる」ための不可欠な第一歩は 「原初的母性的没入(原初的受けとめ)」だ。英語のできる友人に尋ねると これはprimary love でいいと言われた。
イギリスの小児科医・児童精神科医 ドナルド・ウィニコットが 胎児期から出産後の数ヶ月の間、「お母さんが赤ちゃんに徹底してかまける」ということを 言っている。「原初的母性的没入」とは このことだ。
依存を経験できることは、主体的に人を信頼していけるという道になる。依存があって初めて自立がある。受けとめられるという経験があった 初めて、自らを受けとめていくという道筋がついてくる。自らを受けとめていくことができて初めて 他者を受けとめていくことができる。そういう道筋があることを教えてくれたのが この協会の岩崎さんを中心とするスタッフが書いているものであり、実際の里親子さんの記録だった。
同協会の定期刊行物「育てる」No.46、p1~7.
2009年5月28日の総会での講演の要約。
以下は その抜粋:
本文は 買って読んでください。
同協会は 神戸市中央区橘通3-4-1 総合福祉センター2階
年会費 3000円払えば これも買えます。
「もういちど親子になりたい」は2008年3月に出版した本の書名。
1989年に「現代子ども暴力論」という本を出し、その中で核になる概念として「イノセンス」という言葉を使った。イノセンスは「根源的受動性」だと考えた。
イノセンスは「責任がない」ということだ。つまり 自分の命や身体、容貌、名前、親に対して責任がないということだ。
「試し行動」というのは典型的な「イノセンス」の表出であり、家庭養護促進協会では 試し行動を せめて半年は無条件で受け止めてほしいと伝えようとしている。
試し行動を 果てしなく子ども達がぶつけてきて、でも 受け止めていれば いつか終わるんだという考え方だ。ただ 終わるのではなく、表出と受け止めの繰り返しの中で、それ自体が「親子になる」というプロセスを形成している ということが この協会が出してきた出版物から読み取れる。つまり 子どもは 生まれたことに対して責任がないということだ。
「自分では受けとめられないから 受けとめてほしい」ということだ。
「イノセンスの表出」という言葉を「もういちど親子になりたい」と言う本の中では 「受けとめられ欲求の表出」という言葉に代えた。子どもの最初の欲求は「受けとめられ欲求」だと考えると 理解できるのではないか。だとすれば、親の最初の課題は「受けとめられ欲求の表出を受けとめるということ」なのではないか。
受けとめるためには「受けとめ手」が必要だ。その問題を どう考えるかが とても重要なんだと気付くのに この協会の岩崎さんと出会った89年から ほぼ10年近くかかった。
98年に 横浜で児童養護施設の施設長たちと「養育を語る会」を始めた。60回が終わり、今年横浜に二つの児童養護施設が30年ぶりにうまれると いうことで 新たな「養育を語る会」が始まった。
「親子になる」ための不可欠な第一歩は 「原初的母性的没入(原初的受けとめ)」だ。英語のできる友人に尋ねると これはprimary love でいいと言われた。
イギリスの小児科医・児童精神科医 ドナルド・ウィニコットが 胎児期から出産後の数ヶ月の間、「お母さんが赤ちゃんに徹底してかまける」ということを 言っている。「原初的母性的没入」とは このことだ。
依存を経験できることは、主体的に人を信頼していけるという道になる。依存があって初めて自立がある。受けとめられるという経験があった 初めて、自らを受けとめていくという道筋がついてくる。自らを受けとめていくことができて初めて 他者を受けとめていくことができる。そういう道筋があることを教えてくれたのが この協会の岩崎さんを中心とするスタッフが書いているものであり、実際の里親子さんの記録だった。