昨年11月にオープンした、すみだ北斎美術館。
設計が、世界的に有名な建築家・妹島和世さんというので、
建物見学も兼ねて行ってきました。

最寄り駅はJR両国駅か、都営地下鉄大江戸線の両国駅です。
どちらも、歩いて5~10分といったところ。
江戸時代、弘前藩津軽家の大名屋敷だった緑町公園の一画に
「すみだ北斎美術館」は建っています。

そして主役の葛飾北斎も、やはり世界的に有名な浮世絵師ですね。
北斎に魅せられ影響を受けた海外の著名な芸術家たちが、たくさんいます。
江戸時代後期の1760年、本所割下水に生まれた(両国駅周辺)葛飾北斎は、
度々引越をくりかえしましたが90年の生涯ほとんどをこの地で過ごしました。





アルミパネルの外壁に、三角錐の鋭角なスリットが目を引きます。
その表情は、斬新かつモダンですね。





この建物には、正面がありません。
周囲のどこからでもアプローチできるような、通り抜けのある構造です。
地域に開かれた美術館、新しい交流を目指すというコンセプトにピッタリですね。









オープン間もないのと、話題性のある美術館という事で、
外まで行列を作る盛況ぶりでした。

元々そんなに大きくない美術館なので、1階ロビーも狭いし、
2基あるエレベーターにも多くの人が並んでいました。
上階にある展示室への行き来はエレベーターのみなので、
人が押し寄せると滞留してしまい大変です。

外から見た三角錐のカーテンウォールを、今度は中から見ました。
施工の苦労が窺えるような作りです。

足元のスリットは空調用ですが、設計者の意向もあったのでしょうか
金網をかぶせたような簡素な作りでした。
でも、やはりというか踏み抜かれて穴の下に落ちてましたね。







展示室のある3階と4階のラウンジは、一息つくのにちょうど良い場所です。




展示室も、混んでいました。
作品に対して、タッチパネル式の説明用モニターがあったのですが、
これが渋滞の基を作っていました。

英語、中国語にも対応しているので良い試みと思いますが、
モニターによる細かい説明が可能な反面、滞留時間が長くなり、
結果渋滞が出来るというマイナス面も作っているようです。

晩年、娘の阿栄と共に暮らしていた北斎の住まいを再現してましたが、
そのリアルさに見入ってしまいました。
時々、北斎の筆や、阿栄の煙管が動きます。





3階と4階の展示室を結ぶ、らせん階段。
鉄板を曲げて作った階段ですが、ささら桁イコール腰壁のような
鉄板のみで剛性を取っているところが凄いです。





スカイツリーが見えました。




美術館の外へ出てきました。
斜めの外壁が途中で折れて、逆斜めになっています。
スリット面も、キレッキレでかっこ良いですね。





アルミパネルの外壁も、精度を出すのに相当苦労されたのではと
思ってしまうくらい綺麗に納まっていました。







夕陽が外壁にあたり、昼間と違った表情を見せています。




すみだ北斎美術館の公式ホームページ