
目黒区内にある、旧・前田侯爵邸へ行ってきました。
石造りの門を入ると、左手に木の間に見え隠れした和館があります。
さらに奥に進むと、レンガ張りの洋館が見えてきます。
侯爵邸の本邸だった、洋館から見学しました。
洋館は、扁平のアーチが特徴の英国チューダー式と言われる
建築様式で建てられています。

加賀100万石の大名だった前田侯爵家は、
等価交換により本郷から駒場へ移転してきました。
関東大震災の後、昭和4年に建築されますが、
鉄筋コンクリートの構造に欧州の粋を合わせ持った
当時東洋一の邸宅と言われたそうです。
旧サロンから、階段広間を見たところです。
階段下のスペースもチューダー式アーチが取り入れられ、
階段手摺は重厚な木製の中に鋳物のレリーフが
はめ込まれています。

階段下のスペースは秘密の小部屋風ですが、
ここのベンチに座ると廊下から死角となっていて、
秘密裏の会談にもってこいの場所だったようです。

旧サロンです。
館内のいたるところに暖炉がありますが、
暖炉の形をしているだけで火は使いません。
暖房は、地下のボイラー室で石炭を燃やして、
ダクトを通して温められた熱を各室に送るという
セントラルヒーティングだったそうです。
そのため、天井には換気口が設けられていました。

照明の直上に、上手にデザインされた換気口が。
今では当たり前の設備ですが、当時としては画期的で、
東洋一の邸宅と言われたのもうなずけますね。


客をもてなす為に使われた、旧大食堂です。
中央にひときわ目立つ白色大理石の暖炉。
白色大理石としては、日本一大きいそうです。

暖炉周囲の壁は、型押しされた紙が貼ってあります。
欧州では皮を貼るそうですが、日本では手に入りにくい為
和紙を代用したそうです。
三菱財閥の茅町本邸だった旧・岩崎邸でも、
同様な壁紙を見ることができるようですよ。

大食堂の隣に、家族が利用した小食堂があります。
作り付けの食器棚の一画に鏡がありますが、
これは給仕係が大食堂の様子を鏡でチェックしながら
料理を運ぶタイミングを測っていたのだそうです。
鏡の隣には、地下の厨房から料理を運ぶための
ダムウエーターが設置されていました。
2階は、当主寝室や書斎、子供室など、プライベート空間です。
天井は高く部屋も広いし・・・、旧華族の贅沢な暮らしぶりに
思わずため息が出てしまいました。
