
隅田川の支川、小名木川へと入ってきました。
小名木川は江戸時代初めに開削した運河で、
下総の行徳(現在の千葉県市川市)から江戸へ塩を運んでいました。
ところで、この川の両岸は松並木です。
普通、川の両岸には桜か柳が定番のような気がしますが、
江戸時代に松の名所だった事が由来するようです。


川の交差点です。
直行する川の左右を見ました。
東京スカイツリーが見えますね。

最初の見どころ、『扇橋閘門』へやってきました。
西の隅田川、東の荒川の間をつなぐ小名木川ですが、
その隅田川、荒川に挟まれた地域は両川より低い
いわゆる0m地帯なので水位を1m下げているそうです。
閘門(船のエレベーター)を使って水位の調整を行なってますが、
あの有名なパナマ運河のミニ版を東京の下町で体験できるとあって
今回のツアーで一番楽しみにしてました。

閘門の中で、停船しました。
現在の水位は、AP+1.5mです。
APとは、Arakawa peil(荒川工事基準面)の略で、
地域の高さを示す標識として使われています。
TP(東京湾平均海面)や、YP(江戸川工事基準面)、
OP(大阪湾工事基準面)なども同じですね。


排水が始まりました。
みるみるうちに、水位が下がっていきます。
この先の水位は、今来た川の水位より2m低いのですね。
不思議な感じです。

護岸を見ると一目瞭然、今までの水面は濃い色の部分でした。
それが急に護岸が高くなって、圧迫感があります。

ゲートが上り始めました。
水が滝のように落ちています。
船に、何で大量のビニール傘があったのだろうと思っていたら、
ここをくぐるからだったのですね。
一瞬ですが、傘にかかる荷重は強烈でした。

閘門を無事通り抜けると、船は反転し引き返します。
ふたたび閘門へ入り、今度は注水。
注水に驚いて、大量の魚がはねていました。
網があれば採り放題ですね。
傘の出番は計3回、なかなかスリリングです。

満潮が重なったのか水位が高く、橋をくぐれないとの事で
次に向かうはずの運河へ入れませんでした。
という事で、もと来た川を引き返し隅田川へ帰ってきました。
隅田川を下って、次の見どころへ急ぎます。
