私とロックとの出会い

ザ・ナック(The Knack)



アメリカの、4人組のロック・バンド。
かってスージー・クアトロやスウィート、後にはブロンディを手掛けた事で有名な
辣腕プロデューサー、マイク・チャップマンを迎え
1979年、デビュー・アルバム「ゲット・ザ・ナック(Get the Knack)」でデビューしました。

ザ・ナックは、チャップマンの戦略により
髪型や衣装、音楽スタイルを初期のビートルズに似せて「ビートルズの再来」としてプロモーションされる事になり
結果的に、これが大成功しアルバムはビルボード6週連続1位、
シングル「マイ・シャローナ(My Sharona)」はビルボード5週連続1位、
この年の年間チャート1位になるなど、世界的に大ヒットしました。


実はこのアルバムの製作期間は、わずか11日で
制作費は当時の価値にしろ、たった$18,000という低予算で作られました。
その為なのか、演奏内容はとてもシンプルですが、かえってそれがよかったのかもしれません。
彼らの音楽は、時間をかけ凝って制作するより
一発録り的な方がスピード感を損なわずに
ノリの良さが生きると思います。
最もそれを可能にしたのが
彼らの達者な演奏技術です。

「マイ・シャローナ」のイントロはギター初心者でも
弾けるくらい簡単で単純なフレーズですが
一曲通して聴くと、各メンバーとも結構技量があるのが分かります。
この曲は途中変拍子になったりもしますが
彼らはスタジオライヴでも乱れる事無く流れるような演奏を聴かせます。
ギターパートも、それ程高度な曲ではありませんが
センスの良い演奏です。


ただザ・ナックは、「マイ・シャローナ」が、あまりにもヒットし過ぎたため
1発屋の代表としても有名で
日本だけで発売されたコンピレーション・アルバムに
「ザ・一発屋 われらが青春の日々」というアルバムがありますが
「君はトゥー・シャイの(カジャグーグー)」や「ハート悲しくの(マーティ・バリン)」 といった
有名どころを抑え見事(?)一曲目を飾っています(笑)






「マイ・シャローナ」は、その後もドラマやCMなどのBGMとして
何度も使われたり
1994年には映画「リアリティ・バイツ」の挿入歌として使われた事で
チャートに再登場したりもしましたが
数年前、日本でも話題になったのは
女芸人として一時期ブレイクした「エドはるみ」のBGMとして使われた事でしょう。

その為、ザ・ナックを知らない若者の間で
「あの曲は、誰の曲?」と結構評判になりました。

その後、エド・はるみが予想以上に売れたため
作曲者への著作権に対する印税の支払いを恐れた事務所の対策として
別の無難な曲に替えられてしまったそうです。


ザ・ナックは、その後何度も再結成して
アルバムも発表しますが
チャートに上ることも無く
またバンドのフロントマンとして
ザ・ナックの顔だった
ヴォーカルのダグ・ファイガー(Doug Fieger)が
2010年に脳腫瘍と肺癌のため57歳で死去したため
ザ・ナックは事実上終わったと言えるでしょう。