初期研修医を終えて、精神科の専門医療の修行をするようになると古典的診断を学ぶことになります。昔のドイツの精神科医療の流れを汲んだ診断方法です。精神疾患は古来から、器質因、心因、内因に分類されます。器質因の精神疾患は脳梗塞やSLE等身体疾患を原因として精神症状が生じるものです。心因は、他人から非難される、多忙等生活環境を原因として精神症状が生じるものです。内因は器質因及び心因以外によるもので脳の機能異常が原因として精神疾患を生じるものです。精神疾患の診断をする際、器質因、内因、心因の順番で行う必要が原則です。器質因を除外するためには採血等の検査が必要です。心因性疾患はDSM5の診断基準では適応障害や短期精神病性障害が該当します。内因性疾患としてDSMの診断基準ではうつ病、双極性障害、統合失調症が該当します。古典精神医学では内因性疾患は脳の機能異常のために治癒することはないと考えられていました。