この前、アトピーがなかなか治らないという患者さんが見えました。皮膚は初診時とほとんど変わりありません。ステロイドのランクが弱すぎるのかな?と思ったのですが、ふと気がついて今軟膏はどのくらい残っているのか聞いてみました。

 軟膏はほとんど残っているということでした。軟膏はほとんど塗っていないのです。これでは効くわけがありません。

 塗らない軟膏は効かないし、少ししか塗らない軟膏も効かないのです。

 軟膏は基礎化粧品のように「擦り込む」「薄く塗る」のではなく、少しべとつくくらいに「載せて」ください。

 具体的にはどのくらいの量なのでしょう?

 人差し指の第一関節までチューブから軟膏を出すと、両方の手の平分くらいまで塗れます。これをOne fingertip unit (1FTU)といいます。

 この量は体格(皮膚の面積)によって変わってきます。目安を示しておきます。なお、ここでの単位はFTUですが、子どもの指ではなく大人の指での量です。


3-6ヶ月 1-2歳 3-5歳
顔と首 1 1.5 1.5
腕と手 1 1.5 2
太ももと足 1.5 2 3
胸とお腹(前) 1 2 3
背中とお尻 1.5 3 3.5


6-10歳 大人
顔と首 2 2.5
腕と手 2.5 4
太ももと足 4.5 8
胸とお腹(前) 3.5 7
背中とお尻 5 7



(参考:http://www.patient.co.uk/showdoc/27000762/
 あと、塗る頻度ですが、熱くなり汗をかいたり何度か着替えをすると、軟膏がはがれてしまうこともあり、一日に何度か塗りなおしをする必要があることもあります。塗る頻度については主治医と相談してください。

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