自然の話をしよう。

自然の話をしよう。

普段なら見過ごしてしまう、自然のアンナコトやコンナコト。古風な角刈り
(自称 五分刈り)の三十路男子・板さんがカメラや旅を通じて、大好きな
自然にまつわることを、独断と偏見そのままに紹介します。

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9月。兄ちゃんは、(父ちゃんのすすめもあり)登山チャレンジを始めました。

もとより自然が好きな子。きっとハマるという確信はあったものの、さすがに初登山となると、

ルートの難易度や時間など考えもの。

 

険し過ぎず、しかし山らしくをテーマに選んだのは、新城市の名勝・乳岩峡!

 

ここの良さは、巨石が散在していて、飽きが来ないこと。のんべんだらりと歩くのは、

辛いでしょうからね。不安要素は、高所があること。長いハシゴがあり、どこまで彼が

行けるかはわかりませんでした。

 

それにしても、歩くのはぜんぜん大丈夫。ずんずん行ってしまって、写真を撮ってると

「行くよ!とーちゃん!」と大声で呼ばれます。

 

で、心配していた高所はというと。これもまったく問題なし!前を行く大人たちのほうが、よほど

へっぴり腰で悲鳴をあげていました。なかなかやるのお、お主。

(道行く大人たちに「本当にひとりで歩いてるの?」と褒められる、褒められる)

 

ここには山頂というのがないので、トップ画の「通天橋」でお昼ごはん。ここ、岩が天然の橋の

ようになっており、岩の真ん中から明神岳が見えるという絶景スポット。

 

…のはずが、草木が茂りすぎてあまり見えず。まいっか。

彼の楽しみは、とにかく山ラーメンとおにぎりだし。

 

傷がつくとすぐに青く色が変わるキノコなどを楽しみながら、泣き言ひとつ言わずに下山。

すごいね~。ダイダイイグチという炊き込みサフランライスができる(!)キノコもとれて、

大満足の旅でした。(もちろん翌日夜は炊き込みご飯!)

 

そして翌日。彼は5歳になりました。手作りローソクを立てて、ケーキに舌鼓。

前日の登山の帰りは爆睡だったけれど、疲れも残らなかったようで。

ちなみに彼にとって山旅の印象を聞くと、

 

「お山のラーメンと、温泉が楽しかった」。

 

うーん、山そのものの話は出ないのか?…まあいっか!またお山に行こうね。

今度は何のラーメンにする??

「二人目は、とにかく早く産まれる」。そう刷り込まれていたからか、7月31日の予定日になっても

音沙汰のない第二子を、いまかいまかと待ちわびていた。オペレーションを考えて予定表を作り、

長男・K太の送迎準備を整えて(友人の手も借りる前提で。汗)、K太と一緒に、彼の出産のときの

写真や動画を見せて、予習する。

 

「あかちゃんがうまれるの、たのしみ」。

 

彼の一言を聞くたびに、頬が緩む。

 

 

朝、4時半。嫁がかすかな陣痛に気づき、起こされた。産院にも、すぐに来るように言われたようだ。

K太を起こす前にしたのは、朝食の準備。きっと、K太が空腹に耐えられなくなるだろうから。

 

徐々に朝日が顔を出して、検診中にだんだんと明るくなってくる。しばらく様子を見ていたが、

やっぱり出産の気配がない。そして予想は的中し、K太が「おなかへった」。優しい助産師さんが、

スイカとしそジュースを特配してくれたけれど、やっぱり足りなくて、いざ朝食。

万が一を考えてこの日は入院となった。K太にとっては、この日が初めての母離れだった。
 

その夜。いつもなら小児鍼をコロコロとしているとすっと眠りにつくのだけど、いつもなら

隣りにいるかあちゃんがいない。「かあちゃんがいないと、寂しい」。べそをかきかき、

眠りの世界へ旅立っていった。お兄ちゃんになるというのは、なかなか大変なことだね。

 

1週間と少し遅れて、やっとその日がやってきた。朝6時ごろに産院に駆け込むと、陣痛の

ペースがどんどん上がる。K太は助産師さんに遊んでもらいながら、とにかくはしゃぐ。

到着したじいちゃん、ばあちゃんに怒られても、走り回るのをやめない。

 

実は「おうえんしてあげる!」と言っていたK太。かあちゃんをいたわってくれるのかと

思っていたけど、後で本人に聞いたら、「だって、どうしたらいいのか、わからなかった」。

確かに。かあちゃんが痛そうにしている。それだけで、びっくりだよね。

 


10cmという小さな出口から、体重3780gという今どき珍しい数値を引っさげて、大きな大きな

赤ちゃんがやってきた。K太は駆け回るのをやめて、赤ちゃんが出てくる様子を凝視していた。

彼の曇りのない眼差しには、赤子が産まれる瞬間は、どのように映ったのだろう?

 

かあちゃんの上に抱っこされた赤ちゃんは、あまり大声で泣かずに落ち着いていた。

K太は赤ちゃんをいじっては離れ、いじっては離れ、を繰り返す。突然にやってきた「おとうと」を、

確かめるかのように、楽しそうに。ちょっと不思議なこのときを、噛みしめるかのように。

 

瞳、鼻、口、手、足。K太はやや乱雑に赤ちゃんに触れながら、赤ちゃんを半ば無理やり

抱っこする。距離感を確かめるようでもあり、困惑しているようでもあり、嫉妬しているようでも

あり―。

 

「あかちゃん、ちょっと臭い」、「あかちゃん、かわいい」。

 

まだまだ足りない語彙力を使って、それでも全力で自分の思いを表現する。

率直で飾らない、でも、あたたかい言葉。

 

C太、誕生(かあちゃん、お疲れ様)。

…そして、お兄ちゃん・新生K太もここに誕生。

 

おめでとう、お兄ちゃん。しっかり、おとうとを見てあげてね。頼みますよ!

舌下療法という治療法は、僕の世界を超絶変えてくれました。

それまで苦しくて、桜を見るにも鼻が詰まり、目がかゆく、体がかゆく、頭が痛く、熱が出て…

という症状のほとんどを、緩和してくれたのです。人生バラ色ならぬ、人生桜色です。

 

そんなわけで、今年は家族全員でお花見+お外ごはんだ!と思っていたのですが。

なんと嫁さんが花粉症発症(本人は今年きりのつもり)、そして…

K太は重症花粉症(園庭で遊んだ日にゃ鼻が詰まって眠れませぬ)。

あれあれ、あっという間に花粉症一家になってしまったのでした。

 

それでも桜の下で弁当が食べたいよね…という気持ちに蓋をして。しかたなく、

短時間のお花見とあいなりました。K太は、最近外遊びができないストレスが

あるのでしょう、遊ぶ遊ぶ。ほっておけば、ずっと遊んでいたでしょう。

 

タンポポ食おうとするし。

(ま、たしかに食用植物として移入されたんだけど、それマズイよ?)

 

拾った枝で桜を突っつくし。

(んでもって、枝を持ち帰るのはお約束です)

 

タンポポ、フーッとするし。

(いや、マスクしてる意味ないっしょ)

 

…まあ、元気なようで何よりですが。

こんな外が好きなのに、気候の良い季節に外遊びができないなんて、

かわいそう過ぎる。

 

「早く花粉症の時期が終わってくれ~!」。

父ちゃんは以前とはちょっと違うスタンスになったものの、この祈りだけは

変わらないものとなってしまいました。

 

あと数ヶ月後、お兄ちゃんになるK太。

下の子と、いっぱい遊んでやってくれる、優しくもやんちゃな兄ちゃんになって

ほしいものです。花粉症に負けないように、ガンバレ!

 

 

1月は行く、2月は逃げる。3月は去る前に捕まえました(笑)

なんとか力づくで。

 

最近は研ぎがひと段落して、年明けは落ち着いたものでした。

そして、2月末からライター業のほうがにわかに忙しく。フリーという

仕事の波の大きさを、まざまざと感じさせられます。

 

さてさて、昨冬に、ちょっとした出会いがありました。「鉋」(かんな)です。

嫁さんの知り合いの看板屋さんが、古道具屋で見つけ、デザインされたようで…

おお!とばかりに感動して、買ってしまったわけです。

(デザインに惚れた…のではなくて、刃物に惚れて。すみません)

 

使用した痕が少なく、がっちりとした作り。研ぎ直しをすれば、絶対使える!

そう思ったわけですが、これがビンゴ。赤錆をすっかり落として研いだら、勤め先の

公園のベンチやら窓枠やらが、削れる削れる♪

 

「青紙」=青紙鋼(刃物鋼の一種)を知っていなかったら、まず購入しなかったと

思いますが、こりゃなかなかいい買い物でした。

 

(※ちなみに、「真空」は真空窯での刃つけをしたという意味かもとのこと

ですが、そこまでマニアな知識はなく)

 

 

…今週は20ページもの原稿があります。久しぶりにブログに手を染めたのは、

まあ逃避といったところです。さて、仕事に戻ります。。。

このブログで、お箸をつくるという記事を書いたことがありました。

「枝箸進化論」

https://ameblo.jp/ita-33/entry-11171183928.html

思えば、最初はマジものの「枝」からスタートして、徐々に道具を使ったり工夫したり。

 

過去の記事ではそこまで書いていないんですが、最後は漆にたどり着いて

おりました。なぜ漆だったかというと…。

 

「食の安全」っていうじゃないですか。じゃあ、食器の安全性はどうなんだ!と。

さんざんオーガニックにこだわって、盛り付けるのはウレタン塗装?それじゃいかんよね、と。

 

ウソ、です。

 

ぜんぜん、そんな熱い思いはなく、ウレタン塗装嫌いでもなく(今でも他意はございません)。

ただただ、箸がカビてしまうので悩んで、「やっぱ日本古来の漆じゃね?」と、やってみた。

そんな思いつきと気まぐれが、漆とのお付き合いの始まりでした。

 

ただ、周囲に漆を扱っている人なんて、まず、いないわけです。さらに、どこに売っているかわからない。

調べてみたら、東急ハンズに売っているらしい。じゃ、買ってみますかと。親には反対されましたね~。

「あんた、肌が弱いのに、なんで漆?」って。でも、思いついたら止まらないんです。

 

本を調べながら、箸に擦り込めばいいらしいってわかって、やってみて、楽しんだ。

そして、使用するうちに意外と早く漆が剥げてきて、塗り直すのも面倒になって、で、しばらく放置。

ポピュラーな「飽きっぽい人」「熱しやすく冷めやすい人」やったわけです。

 

しかし幸いだったのは、能登の輪島塗り、小浜の若狭塗りなどの取材をさせていただいたこと。

自分のやり方のミス、考えとワキの甘さに気づきました。で、最近になって、しこしこと

やり直しをしてみてるってわけです。

 

ちなみに今回、塗りをしようと思ったのは、息子の普段づかいの木のうつわが摩耗しまくってきたから。

職人さん手作りのひと品、漆でどうにかなるのでは?と(浅知恵で)思ったわけです。

 

がらけーの写真だけに、画質は悪いですが、色は完全に白くさめているのがわかります。

また、フォークの痕跡もチラホラ、一番ダメージを受ける吸い口は、傷んでいました。

 

左はまだ未修正。右は、紙やすりで240→400→800と細かく擦って、テレピンオイルで1回

漆で下地をしたもの。

 

今回は、ちゃんと本読みました。だいぶコピーもとりました。何度も何度も読み直しました。

そして、、、ちょっと省略しましたっっっっ。すみません!

 

そんなちゃらんぽらんDIYでも、下地は濃度薄めから3回、摺り漆を2回。

職人さんが残してくれたノミの痕も、かなり際立ちました。

ナラ材だからこそ、かつて水を吸い上げたであろう管が、良い表情出してくれます。

 

漆がおもしろいのは、室(ムロ)に入れてひと晩寝かせると、ぐっと表情が変わるところ。

特に摺り漆は、カブレさえしなければ、誰にでもできそうな技法。

 

良く「ビギナー向け」って紹介されています。真偽のほどは定かではないですけど、

個人的には同感です。ムロっていっても、プラスチック衣装ケースの引き出しでも、

お菓子箱でもいい。身の回りのものを有効に使えますしね。

 

日を追って木地の顔が変化していく=時間の経過が楽しみになる。

もちろん、しくじれば「うわちゃ~!」とうめき、パッチーンと額を叩く。「どうすればいっかな~」と

頭をかく。「やすって少しやり直すか…」とつぶやき、また黙々と仕事をしてみて…の繰り返し。

 

良い出来ばえだと、「おお、いいじゃん(俺うまくなったわ~)」って思ったり、ね。

自画自賛ができるのも、漆の色味が醸す、えもいわれぬ味わい深さのおかげです。

 

すべてにおいてうまくいった!とは言いませんが、息子くんのうつわは、ぐっと表情が深くなりました。

(アイシングクッキーは、いつもお世話になっているohanapanさんの逸品。

本当にいつも楽しい・嬉しいお付き合いをありがとうございます)

 

さて、このうつわが、食いしん坊怪獣くんにとって、佳きクリスマスプレゼントになればいいのですが。

 

食欲旺盛・食道楽の4歳児は、「僕はカワイイんじゃない、かっこいいんだ!」と

主張を始め、ますます知能レベルアップ、自己主張アップといった今日このごろでは

ありますが、さて?

 

おらのポンポンを見ろ~!もっと飯食わせ~!!(BY 腹ぺこビースト)

 

漆なんぞ買う前に、エンゲル係数を下げなければならない我が家です。