本日の読書感想文



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目的は生き延びること

コミカライズ題名【悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た〜私の目的は生き延びることです】





あらすじ 


王国で最も栄えある家に生まれたファリティナは、悪夢から自分の身を振り返る。そういえば、2年ほど前に弟が生まれなかったか?忘れていたけど、会いに行くと可愛くて、病弱なこの子を守りたいと思った。
あの悪夢が予知夢だったら、この子も自分も、ほかの弟妹も、公爵家の没落に巻き込まれて死んでしまうの?
せめて生き延びることができたら、いつかは笑える日がくる。
貴方は私が守ります。貴方の笑顔が私たちの希望。





グッときたポイント 


以下、ネタバレを含みます。








推理小説のようでした。

悪役令嬢と言いながら、悪いことは何もしていない主人公。悪夢(未来)を見たことで、自分と同じく蔑ろにされている末の弟ジェミニを守るために奮闘します。

しかし、家族からも婚約者からも愛されずに冤罪に次ぐ冤罪をかけられ、牢獄に入れられてしまいますが、それでも自分のことより弟妹のことを案じます。

読んでいて、序盤から涙が止まりません。

小さい頃から受けてきた仕打ちで出来た自己評価の低さが、追い詰められて死を意識する状況でも、誰からも手を差し伸べられないことを当たり前だと受け止めている。

それでも次期王子妃として受けてきた教育と聡明さが、自分が壊れるのを許さない。張り巡らされた貴族王族の陰謀を正確に見抜いて、弟妹を守ろうとします。

それでもファリティナが大切にしていた末の弟ジェミニが亡くなってしまった時は、私の目も腫れるほど泣きました。


早めの段階から、神童と言われる眉目秀麗な弟セリオン(異母姉弟)との誤解が解け、更に下の弟妹を守るためタッグを組めたのが救いでした。

弟からの溺愛が始まりますが、姉はとにかく生き残るのが目的なので、躱してばかりです。(モッタイナイ!)

私としては、この弟くんが推しでした!


「私はいつだって、姉とともに消える覚悟はあるのですよ。私が生きている意味は彼の方しかないのですから。」

「ファリティナは私の最愛の女性です。手出ししないでください。」

ついに言いやがった。この魔王。

本文抜粋


もう、セリオンの執着愛にファリティナが流されてほしいとどんなに願ったか!

でも流されないんだな〜、これが。


ポンコツ王子様も溺愛に絡んできますが、その王子を見直せるのは本当に終わり間際なので、禁断の愛で進めない未来の為に、ポンコツ王子という選択を残したのかな〜と。

作者、どこまでも現実的だな…と感心しました。



こんな人におすすめ 


ミステリー好きな方にオススメ!

ただし涙を流して読むこと請け合いなので、気軽に電車の中やカフェでは読んではいけません。

寝る前に読むと、続きが気になって夜眠れません。

お休みの日に、紅茶と軽食を用意して、一日かけて読みましょう!←最高!