
しかし、さすがにBauhausがあったドイツの製品です。ブラウンに通じるプロダクトデザインとしてのモダンな機能美が見て取れます。
黒を基調としたデザインは、日本的なオフィスにはちょっと浮いてしまいますが、写真にあるようにマホガニー調の濃いブラウンのテーブルに置くと、しっくりきます。
受話器を持ってみると思ったより重いのにびっくりします。
最近は携帯電話もノートパソコンも軽いのを売りにしていますから、この重さは驚きを通り越して不思議な感じがします。
実際に受話器を握って話してみると、なぜだかゆっくり話したくなります。それに、懐かしい感じがするのは、昔の黒電話の受話器の重さを身体が覚えているから、なのかもしれません。
これは、見ているだけでは決してわからないもので、触ってみてはじめてわかる感触です。

インパネ周りに配置された各種ボタン類が、用途に応じて、押し込むバネの強さや、引っ張る時のクリック感等を微妙に違うように調整されています。
※重要なボタンは、適度な重さがあって、ちょっと力を入れないとONにならない… etc.
しかも、この手に感じる感触は車種を超え、作られた時代を超えて統一されている感じがして、この辺にもドイツ流の設計に対する思想が垣間見えます。
このIP電話もdhcpサーバよりIPアドレスをもらってしまえば、そのIPアドレスでWebコンソール画面を開き、各種設定が自由にできます。
もちろん、Autoプロビジョニングにも対応していますので、大規模なネットワークでは自動的に設定情報をプロビジョニングサーバからダウンロードしてくることも可能なようです。
ただ、呼び出し音が不思議なものが多くて、日本にいると聞いたことがないような音ばかりでびっくりします。 後ろのほうに、なんとなく使えそうな音がありますが、デフォルトでセットされている呼び出し音は、何度聞いても本当に変な音です(苦笑)。

海外旅行に行って、外国のホテルのお部屋にある電話機を使い、まるで国際電話を掛けているような気分になれます。
電話というのはインターネットやパソコンよりもずっとずっと古い歴史があるので、その国の文化と相まってただのプロダクトとは違う、何か体温のようなものを感じます。
手で持ったり、身体が触れるモノのデザインは、単なる機能性だけ論じても意味がなく、触ってみて使ってみて、言葉にならない感触といったものがとても大切だと、このIP電話機を触っていて思いました。
ドイツからきたIP電話、とても気に入りました。