2017.11.10
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08108/8fecc1b1/46a3/4d2d/9507/2537168a7007/20171115132735504s.pdf

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【要旨】
・Red for Publishers展開注力

・海外ではadGeekを子会社化、複数の海外拠点展開

・売上 120億円/年、営業利益6億円/Q
内、DSP売上が107億円/年。2018年9月期はDSP売上139億円/年を見込む

・2017年9月期と2018年9月期の業績予想としては、国内は微増、海外が急増。
国内売上113億円⇒161億円 海外売上6.5億円⇒34億円

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【所感】

▼よい点

・主力のDSP事業で大きく伸ばしてきている。特にRedをリリース後、
LINEへの独占的な配信を強みに、規模を拡大してきている

・海外展開の速さ。2017年中に増やした海外拠点だけでもかなりの数があり、
今後の伸びしろとしては海外事業と考えられる

・Red for Publisherによって、中間事業者なしに優良メディアの買い付けが
できる仕組みを提供している

▼懸念点

・LINEや、他にもRed for Publisherにて囲っているメディアについては、
そのメディア自身がプラットフォームであったり、プラットフォーム化を
目指しているメディアが多い。
LINEでいうと、LAPとRedが共存している形であり、LINE観点ではLAP比重を
強めたいという力学が働く。for Publisherが中長期的な強みになるのかどうか。

・広告主の属性として、ブランド広告主はどの程度取れているのか。
外部から見る限り、ブランド広告主を志向しているがパフォーマンス案件中心に
なっているように見える。

・ITPの影響。DSP中心となると、cookieターゲティングがしづらくなると
大きく影響がでる可能性。
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【どう経営すべきか】

DSPを主軸として単月10億円規模まで育てられているというのは見事である。
しかしLINEほどの規模で組める媒体が国内に他にないと思われるので、
for publisher展開での伸びしろには限界があるように感じる。
それもあって国内の2018.9の国内の売上の見込みが小さいという事か。
その点、彼ら自身が掲げている通り、海外での伸びしろを広げていく事で
規模を拡大していくことに注力すべきと感じる。

グローバルにアドテク市場の成長は今後も続いていくが、
Google,Facebookなどの大手プラットフォームがそのシェアを拡大しており、
Amazonなども広告市場での存在感が増していく市場になっていくと思われる。
購買データ、興味関心、人間関係などのデータでは彼らのデータには勝てないが、
それ以外のデータでメガプラットフォームが持ちえないデータをもった展開を
志向し、グローバルで戦う事に勝機があると考える。