某家電メーカーのものよりは余程イイけどね・・・

 

ケータイWatchの記事に、 独創的な光るバックパネル「Nothing Phone (1)」ついに発表、日本では6万9800円 てのがありました。

 

英国のNothing Technologyは、「Nothing」ブランドの新製品として、Androidスマートフォン「Nothing Phone (1)」を発表したそうです。記事によると・・・

 

「Nothing Phone (1)」は、チップセットに「Qualcomm Snapdragon 778G+」を採用した5G対応Androidスマートフォン。「Nothing」ブランド初のスマートフォンとして発表された。
大きさは159.2×75.8×8.3mmで、重さは193.5g。

背面には「Glyph Interface(グリフインターフェイス)」と呼ばれるしくみを備える。通知や充電の状況に合わせて、背面のLEDライトが光る。たとえばメール受信時と通話着信時とで異なるパターンの光り方を設定できるなど、さまざまなカスタマイズに対応する。

 

だそうです。スペック等の詳細は記事に譲りますが、スペックや価格(6万9800円)だけを見る限りは、それなりのスマホに見えます。

 

色んな意味で話題を呼んだ BALMUDA Phone は、そのスペックに対する価格と、奇を衒ったデザインが災いして炎上しましたが、今回の「Nothing Phone (1)」は少なくともそういうことはなさそうです。

 

ただ、中の人は過去に多くの期待を受けてデビューした Essential Phone というスマホと今回の「Nothing Phone (1)」と同じ匂いがしてなりません。

 

Essential PhoneはAndroidの生みの親であるアンディ・ルービンが起こしたEssential Productsで開発されたスマホです。彼が目指したのは「iPhoneやGalaxyを超えるスマホ」でした。

スペックや質感は素晴らしく、価格もそれなりだったので、かなり売れることが期待されました。

 

しかし、発売前後の度重なるトラブルや、発売後のソフト面での不具合が多く、2015年の設立からわずか5年の2020年に会社は閉鎖となりました。

 

今回の、「Nothing Phone (1)」を製作したNothing Technologyの共同創業者(Co-founder)であり、マーケティング統括(Head of Marketing)のアキス・イワンジェリディス(Akis Evangelidis)氏曰く・・・

 

「(コンシューマー向けのデジタルデバイス市場で)さまざまな製品が同じようなものに見えた。子どものころに初めてiPadやiPhoneを触ったときのようなワクワク感が、すっかり失われてしまったように感じられた」

 

と、どこかの家電屋の社長が言っていたのと全く同じような事を言っているのが気になりました。

 

「Nothing Phone (1)」の特徴といえば、背面には「Glyph Interface(グリフインターフェイス)」とスケルトンのデザインくらいで、他のスペックは既存のスマホと変わりありません。

 

考えてみれば当たり前です。現在のスマホで出来るのは現在の技術で実現可能な物以外は作れません。当然ながら、誰もがあっと驚くようなスマホはできません。

 

例えば、1年間充電しなくていいスマホとか、4つ折りになって開くとA4版くらいの大きさになって、畳んだ状態でも使えて厚さが1cmくらいのスマホとか。

 

こんなスマホが”今”できるなら、誰もが驚き、使ってみたいと思うでしょう。でも、できません。技術が追いついてないのです。

 

スマホは既にコモディティ化しており、スペックやデザインで競える状態ではありません。前述のように革新的なバッテリーや、ディスプレイの進化が無い限りは、スマホが登場した当時のワクワク感の演出は難しいと思います。

 

こういう場合、”機能”か”価格”のどちらかに振り切ることしかありません。あとは、技術の進化に期待するしか無いでしょう。

 

「Nothing Phone (1)」も、試みは面白いと思いますが、Essential Phoneのようにならないことを願うばかりです。