大臣の言いたいことは分かる・・・
ケータイWatchの記事に、 武田総務相、KDDI高橋社長の発言に「がっかりした」「ハードルを下げるべき」 てのがありました。
武田良太総武務大臣は、27日の閣議後記者会見で、携帯電話料金値下げに関してのKDDI高橋社長の発言に対して、「非常にがっかりした」とコメントしたそうです。記事によると・・・
武田総務相は、「コロナ禍で困窮している国民生活のなか、キャリアは相当な利益を上げている」としたうえで、「コロナ禍において、国民がみんなで力を合わせようとしている時に、(キャリアは)全く国民生活に還元しようとしない。さらに複雑なプランを使って国民から別に料金を取ろうとする、こうした姿勢が果たして国民が納得するのか、私は指摘をしていきたい」との考えを示した。
だそうです。まぁなんとなく言いたいことはわかりますよ。ただ、ケータイキャリア各社も民間企業ですから儲けてナンボです。儲けることが悪いことではないことは私も経営者の端くれとして理解できます。
ただ、大臣がいいたいのは、「少なくとも国民の共有財産である”電波”を利用している許認可事業者なんだから、”ライフライン”を担うものとして役割をきちんと理解して経営してよ」ということなのではないでしょうか。
では、他のライフライン事業者の業績はどうなんでしょう?生きる上で欠かせない、「電気」、「ガス」、「水道」のそれぞれの事業者の2020年3月度決算から経常利益を比較してみました。
東京電力 2,640億円
東京ガス 1,027億円
東京都水道局 332億円
ライフライン3社合計 3,999億円
それぞれのライフライン事業者も結構な利益を上げていることがわかります。
では、新たなライフラインと言っても過言ではない、ケータイキャリア各社の経常利益を見てみましょう。
NTTドコモ 8,679億円
KDDI 1兆206億円
ソフトバンク 8,111億円
キャリア3社合計 2兆6,996億円
いや、こうしてみるとスゴイですね。前述のライフライン3社の経常利益を合計しても、キャリアで最も利益の少ないソフトバンクの半分にも満たない状況です。
これを見ると、大臣の「キャリアは相当な利益を上げている」というのも理解できなくもありません。
他のライフライン業者と同水準とまではいいませんが、これだけの利益を上げているのであれば、首相の言う「4割下げられる」発言も無理ではないような気もしますね。
ケータイキャリアの各社様には国民の共有財産を利用して商売している自覚を持っていただき、適正な利益で運営していただきたいものです。