ガス抜きかな・・・
CNETの記事に、 アップル、「App Store」手数料を半減へ--年商100万ドル未満の開発者は15%に てのがありました。
Appleは2021年から、売り上げの少ないアプリ開発者を対象に、「App Store」を通して「iPhone」「iPad」「Mac」向けアプリに課している販売手数料を、現行の半分の15%に引き下げるそうです。記事によると・・・
対象となるのは、年間売上高が100万ドル(約1億400万円)未満の開発者だ。「このことは小規模事業者やデベロッパがより多くの資金を自身の事業に投資し、従業員を増やして、世界中のアプリケーションのユーザーのために新しい、革新的な機能を開発できるようになることを意味します」と、Appleは発表の中で述べた。この手数料率変更は、2020年の売上高に基づいて2021年1月1日から適用される。
だそうです。折しも人気ゲーム「フォートナイト」の開発元のEPIC Gamesが、AppStoreを回避するような課金システムを作り、それに激怒したAppleがAppStoreからアプリを削除したことに対する訴訟が係争中の中での出来事でした。
元はと言えば、AppStoreの手数料が高すぎる故のEPIC Gamesの謀反だったわけですが、それまでは手数料をきちんと払っていて、それなりの利益が上がっていた中でのこの行動は、個人的には腑に落ちません。
ただ、EPIC Gamesの謀反によって、他のデベロッパにも影響を与えたことは間違いなく、「Apple憎し」の機運が高まっていたことも事実です。
そんな中での今回の施策ですから、デベロッパへの「ガス抜き感」が否めません。年間売上高が100万ドル(約1億400万円)未満の開発者ということですが、年間売上高が100万ドルを超える開発者はそんなに多くないはずで、多くの開発者は100万ドル未満の売上の方が多いのではないでしょうか。
そういった、多くの開発者にとって見れば、今回の手数料半減は歓迎すべきことですし、公営ギャンブルである競馬、競艇、競輪などのテラ銭が25%で有ることを鑑みると、15%という手数料は世間一般の基準に照らしてもボッタクリ価格ではないレベルだと思います。
多くの開発者の不満を抑えつつ、何としてもEPIC Gamesとの戦いに勝利したいAppleの苦肉の策だったといえるでしょう。