医療関連のAI活用はホントに進んでる・・・
ITmediaの記事に、 AIが「眼底画像」を診断、眼科医向けの診断支援サービスが登場 てのがありました。
自治医科大学発のAIベンチャー・DeepEyeVisionは2月5日、ディープラーニングを活用し、網膜などを映した「眼底画像」を診断するクラウドサービスの提供を、医療機関向けに始めたそうです。記事によると・・・
医療機関が、診察時に撮影した眼底画像をアップロードすると、AIが画像を解析。DeepEyeVisionと提携する、眼底画像の診断を行える読影医がAIの解析結果を確認し、診断結果を医療機関に送る。診断支援サービスを使うことで、医療機関は読影医を雇う手間が省け、人件費も削減できるとしている。
だそうです。こういったAIを活用した医療向けのサービスはアメリカなどではかなり進んでいます。以前弊社で調べただけでも以下のようなものがありました。
1) Arterys
膨大な心臓MRI(磁気共鳴画像)をクラウド上に蓄積し、AIを使って診断を支援するシステム"Cardio AI”、肺や肝臓画像を診断する”LUNG AI”と”LIVER AI”など、イメージ解析を使って医療診断をアシストするAIサービスをクラウドで提供しています。
2) Sentrian
主に慢性疾患者の医療ケアを行うための遠隔医療サービスを行っています。遠隔バイオセンサーを使って慢性疾患者の心拍数、血圧、酸素レベル、活動などの情報をモニタリングし、悪化する可能性の高い患者を発見して適切なケアを行うことにより、発症してから入院という事態を未然に防ぐという予防医学に取り組んでいます。
モニタリング情報をビッグデータ化して機械学習することで、AIは「どのようなパターンになったら悪化する可能性が高いか」を予測して患者や家族にケアアドバイスを行うという仕組みです。
3) Butterfly Network
https://www.butterflynetwork.com/
超音波画像診断(エコー)をiPhoneで見られる装置"iQ"を開発しています。これまでのエコーは高価でそれなりの病院でないと導入できませんでしたが、これが普及すれば総合病院だけでなく、かかりつけのお医者さんや個人でもエコー診断が容易にできるようになりそうです。
このデバイスで取得した画像データをクラウドに集めて、そのビッグデータをベースにAIを活用した臨床診断を行っていく方針のようです。確かにスマホを使えば一気にデータが集まるので、数年後にはすごいことになっているような期待が持てますね。
4) Atomwise
創薬ベンチャーのアトムワイズ社では新薬開発にAIを活用しています。エボラ出血熱に効く薬の候補を発見したり、遺伝子組換え種子や農薬で有名なモンサント社と共同で農薬開発を行ったりしています。
従来の新薬開発研究が試行錯誤主体であったのに対し、AI創薬はCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を使って様々な分子がどのように相互作用するのかを自己学習して、どの分子が病気や害虫防除に効果を持つ可能性があるかを発見します。
5) Human Longevity
https://www.humanlongevity.com/
遺伝による病気発症を未然に防ごうと、現在、世界中でゲノム研究が盛んに行われています。ヒューマンロンジェビティ社はそのうちの1社で、ゲノムに関する表現型データや臨床データをamazonのAWSに蓄積し、AIを使った遺伝子分析を行っています。
こういった医療関連にAIを活用することで、今まででは考えられないくらいのスピードで的確で正確な診断が可能になります。これは医師だけでなく患者にとっても素晴らしいことだと思いますので、日本国内でもこういった医療関連のAI活用が更に進むといいですね。